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私の針仕事 これからもずっと❗️

ふたりを引き合わせる事が出来たのが
私の一番の功績かもしれない

私より7才上の友人をAさん、
14才上の友人をYさんと
ここでは呼ぶ事にしよう

Yさんと先に知り合っていて
半ば強引にパッチワークを教えて貰っていたが
彼女も自己流なので
教室を持つ様になっていた私には
少し不安があった
自信を持って人に教えられないと…

そんな時Aさんと出会い
(…というか押しかけ)
彼女の勧めで一緒に
教室に通い始めていて
1年くらい経っていた

Yさんの話に戻るが…
彼女の家に電話すると☎️
いつも御主人が出た

優しい穏やかな声で
緊張感を解してくれる
そして直ぐ私だと
分かって下さる処が
嬉しかった

その御主人が定年退職して
これからのんびり出来るという時に
Yさんの心の準備の出来ぬ間に
お亡くなりになってしまった

きっと仲のいいご夫婦だったのだろう
彼女の落ち込みようは
私の想像を遥かに超えていた

明るくエネルギッシュな彼女が
不眠症になり鬱の一歩手前の状態に
なるなんて…

身体のあちこちにも不調が現れていた
心配する人が居なくなると
自分の不調に気付いてしまう

私も心配で時々様子を見に行っていた
一人用の土鍋にチゲの材料を入れて行き
彼女の台所で温めてお喋りして帰っ た

展覧会や美術展など
出来るだけ外に連れ出す様にもした

最終的に彼女を救ったのは
やっぱりパッチワークだった

一念発起して講師の資格を取る事にしたのだ
しかも短期集中型の超ハードなクラス
これで元気になれる!と確信した

泊まり込みも入れて
数ヶ月で卒業した時には
ほぼ元気な彼女に戻っていた

更に一緒に腕を上げよう❣️と
Aさんと通っている教室に誘う事になる

それから10年間、
二人を乗せて私が運転、
1時間半掛けてその教室に通い続けた

3人の関係は絶妙だった。
生活環境も人生観も全然違うのに
パッチワークが上手くなりたい❣️
という想いのみで繋がっていた

月に1〜2回会うのも、
私生活を干渉しないのも
長続きした要因かも知れない

Aさんは決して妥協を許さない、
きっちりした性格
でも面倒見が良くて
教室に通う日は必ずポットに温かい珈琲を
お茶菓子と共に用意してくれた

先生の言う事は
一言一句漏らさぬ様にメモし
要求以上の形に仕上げる人

Yさんは、おおらかで包容力があり
立場とか偏見に捕われず、
その人自身を見て
人付き合いができる人だから
地元でも慕われていた

出された課題は必ず何か加えて
自分流にアレンジして来た

私は、どちらかと云うとYさんに近いので
何時も自分流を追求していた
先生にとっては、やり難い生徒だったろう

ゆるく行こうとする二人に
Aさんが喝を入れる
厳し過ぎるAさんを二人でほぐす
絶妙な3人組が出来上がった

勿論、張り合う気持ちや
負けたくない思いがあった時期もある
公募展で一人だけが入選した時は
やっぱり悔しかったし
次は絶対に私が取る…と思った事もあった

でもそうやって切磋琢磨しながら
其々が引き上げられた
そして三者三様の個性が
際立つ様になっていった

手の届かない程の遠い存在だった二人と
肩を並べる迄になれた自分が
誇らしかった

ふたりを引き合わせた事で
私の役目は終わったかなと思っていたら
私が居ないと物足りないと言ってくれた

いつの間にか三人で一つの三角形を
作っていたのだ

美術館で三人展をする事も出来た
その頃には張り合う気持ちは消えて
其々の個性を尊重出来る様に
なっていた

私もAさんも引っ越して
バラバラになってしまったが
この絆は決してほどけないだろう

今の私はパッチワークと貴方たちに
育てられ、作られたんだよ❣️
又必ず会おうね
直ぐ、あの頃に戻れるはずだから…
又ね。

#コラム #パッチワーク #針仕事  

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