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【日本酒】千葉県民の日だから千葉の酒蔵を紹介【13蔵】

6月15日は千葉県民の日。

地元にいる時は学校休みになったので知っていたけど、離れたら忘れるものですね。
木更津県と印旛県…どことなく香る…いややめておこう。

県庁を旧両県の境界の千葉郡千葉町に設置したから「千葉県」なんですね。
シンプルかつ平等。

千葉は首都圏にありながらほのぼのしていて、住むにもちょっと足を伸ばすにもおすすめな要素がたくさんあるのですが、今回はあえて千葉の酒造さんを紹介します。

なんで千葉で酒蔵なのか。
千葉に日本酒のイメージってないですよね。

日本酒といえば、新潟長野や東北北陸などの比較的寒い地域の米どころや、
「灘の男酒、伏見の女酒」と言われるように酒米生産が盛んな関西や中国地方がパッと浮かびます。

実は千葉県にも40の酒蔵があり(現在酒造りしていないところもあります)、酒蔵の数だけで言うと結構多い方なんですね。
千葉も米どころですからね。
一言で千葉といっても広いので、地域や蔵によって味わいも違い、それぞれに特徴のあるお酒を醸している蔵が多いです。

数年前に比べると、酒屋さんや飲食店で千葉のお酒を見る機会も増えてきたように感じています。
とはいえメジャーではないので、千葉のお酒を知っていると、「よく知っているね」となるかもしれませんよ。

40蔵全てを紹介するとえらいことになりますし、ワタシも全ての蔵のお酒は飲んだことありません。
ですので、千葉県出身のゆる利き酒師のワタシが飲んだことあるお酒の中で印象に残っている蔵元さんを独断でピックアップして紹介します。

ざっくりとしたエリア別にいきます。

南房総エリア

亀田酒造

最初はワタシの地元から。

亀田寿萬亀

代表銘柄は「寿萬亀」。
南房総ではスーパーやコンビニでも見かけるお酒ですね。
実は明治神宮の献上蔵なんですね。
こんなところでも神宮とつながっているとは…

最初飲んだ時は、温暖な地域らしからぬスッキリとした飲み口ながら、優しい旨みのある飲みやすいお酒だなぁという印象でした。

香りの華やかなお酒や、しっかりしたザ・地酒!もあり、幅広く好みやシーンに合わせてお酒を選べる蔵元さんです。

日本酒だけではなく焼酎やリキュールも造っており、コラボなども積極的なイメージがあります。
千葉の南の田舎にある酒造さんにしては(失礼!)、お酒造りもそれに関わる様々な取り組みにも積極的な蔵元さんです。

蔵の方が明るく元気なイメージあります。

和蔵酒造

こちらもワタシの地元に近い蔵元さん。

和蔵聖泉

代表銘柄は「聖泉」。
聖泉も南房総ではよく見かけます。
味はまさしく包み込むような優しいお酒。
お酒によっては、地酒らしいキリッと辛口なものもありますね。
日本酒の蔵と焼酎やリキュールを造る蔵が別にあります。

今まではネットでも出てこない千葉の中でもマイナーな蔵だったのですが、
まさかのホームページができてました!
ここ2年くらいで営業姿勢が変わったかも知れません。

ワタシ的に千葉のマイナー蔵?の中ではイチオシの蔵元さんです。

昨年行った「千葉の酒フェスタ」にいたお母さんがいいキャラでした。

藤平酒造

飲食店勤務時代の先輩が教えてくれたお酒。
「ふじひら」じゃなくて「とうへい」と読むとはっきりわかったの結構最近…

藤平福祝

代表銘柄は「福祝」。

千葉のお酒の中では比較的全国で見られるお酒ではないでしょうか。
とはいえ、少量生産なので、どこでも見られるというお酒ではない印象です。
味は年やお酒によって違い、福祝といえばこれ!というイメージはないのですが、一本一本に個性を出して造っている印象です。

とにかく名前がめでたい!
祝酒にどうぞ。

『千葉日本酒活性化プロジェクト』のお酒『actiba(アクチバ)』参加蔵です。

『actiba(アクチバ)』とは。

千葉は米、水に恵まれ意外なほど酒造りが盛んなのに、今ひとつ日本酒のイメージがない。千葉の米を原料に、千葉の水で、千葉の酒蔵が造り、千葉で飲ませるの【千産千消】をコンセプトに立ち上げたのが『千葉日本酒活性化プロジェクト』です。
そして、そこで販売するお酒が『actiba(アクチバ)』です。
ちばの酒街道様より引用

吉野酒造

吉野腰古井

代表銘柄は「腰古井」。

安定かつ安定。
派手さはないですが、まろやかな旨みがあり、日本酒ってこういうお酒だよねといつでも安心して飲めるお酒です。

腰古井のワンカップを家に常備しておいて、安心したいときに飲みたい。

東灘醸造

東灘鳴海

代表銘柄は「鳴海」。
地元流通が「東灘」、限定流通が「鳴海」とのこと。

ワタシが知らずに東京で鳴海を飲んで、千葉でこんなお酒造っているんだ、と驚いたお酒。
淡麗辛口なイメージも、いわゆる新潟のような淡麗辛口と違って、すっきりしながらも大海のどっしりした感覚があります。

最近はその時のイメージもありつつ、年々お酒の味が洗練されているような気がします。

東灘醸造さんも『千葉日本酒活性化プロジェクト』のお酒『actiba(アクチバ)』参加蔵です。

木戸泉酒造

木戸泉酒造

代表銘柄は「木戸泉」。

「高温山廃酛仕込」という他では見ない仕込みをしています。
添加物等を使用せず、自然で強いお酒造りを守り続けています。

その造りから酸が特徴のお酒が多いのですが、中でも「アフス」シリーズは個人的に注目しています。
低アルコールのフルーティーで飲みやすいものや、ブランデーやリキュールのようなものまで、日本酒の乳酸菌の力を様々な形で表現しています。

年代別の古酒もあり、好きな人は本当に好きな蔵元さんでしょう。

5代目蔵元で杜氏の荘司さんのお話がわかりやすく、勉強になります。

木戸泉さんも『千葉日本酒活性化プロジェクト』のお酒『actiba(アクチバ)』参加蔵です。

岩瀬酒造

岩瀬岩の井

代表銘柄は「岩の井」。

こちらも腰古井と同じように安心安定のお酒。
違いはまろやかな腰古井と比べて、酸の効いたすっきり感が感じられるところ。
近い地域なのですが、山寄りの軟水を仕込み水とする腰古井と、海寄りの硬水を仕込み水にする岩の井という違いでしょうか。

こちらも熟成古酒が有名で、長く取り組んでいます。

ワンカップで家に常備しておきたいお酒。

千葉県中部エリア

梅一輪酒造

梅一輪酒造

代表銘柄は「梅一輪」。

日常によりそった楽に飲みたいお酒。
ワンカップで雑に飲んでもいい気楽なお酒です。
尖ったところのない飲みやすさがあります。

千葉や東京にあるチェーンの串焼きやさん「串屋横丁」に、地酒「梅一輪」の看板が出ていて驚きました。
東京で見たので、東京の大衆居酒屋に、千葉のマイナーな地酒の看板があるとは。
なるほど、元は千葉の茂原の会社なんですね。

寒菊銘醸

寒菊銘醸

代表銘柄は「総乃寒菊」。

今千葉で最も今風のお酒を造る蔵かもしれません。
香りは穏やかながら、スッキリフルーティーできれいな味わい。
ほのかな甘みと旨みが程よいバランスです。
季節限定のお酒はラベルもおしゃれできれいです。

冬にお燗でしっぽりゆっくり飲むお酒というよりは、
夏にすっきりさっぱり飲むお酒のイメージがあります。

千葉の日本酒で今一番万人におすすめしやすいお酒かもしれません。

おいしい地ビールも造っています。

飯沼本家

飯沼甲子

代表銘柄は「甲子正宗」。

千葉で先進的な蔵といえば飯沼本家さん。

リンゴ酸を使った甘酸っぱく飲みやすい日本酒、その名も「きのえねアップル」というかわいく飲みやすいお酒を造ったり、「日本酒ヌーボー」という言葉を使いだしたのも飯沼さんじゃないかしら。
今季の初物の純米大吟醸酒を24時間以内に届ける1年で1日限りのお酒「酒々井の夜明け」。
どこよりも早くフレッシュなお酒をお届けするというコンセプトが面白いお酒です。

ホームページを見ても、様々な取り組みをされているのがわかります。

千葉を代表する蔵の1つでしょう。

飯沼本家さんも、『千葉日本酒活性化プロジェクト』のお酒『actiba(アクチバ)』参加蔵です。

旭鶴

旭鶴

代表銘柄は「旭鶴」。

正直旭鶴さんのお酒のイメージというと、ワタシはKURANDさんのお店にあった、日本酒の生樽サーバーのイメージなんですよね。
それから旭鶴さん=搾りたて、フレッシュ!のイメージが勝手にあります。
ですが、通常のお酒は確か地元のお米を主に使ったどっしり辛口のお酒だった…ような気がします。

生樽サーバーで飲む日本酒って、本当にフレッシュでおいしいんですよ。
蔵で搾りたてをそのまま飲む感じで。
茨城の木内酒造さんが飲ませてくれた生樽サーバーの日本酒が本当においしくて。
木内酒造さんは常陸野ネストビールで生樽サーバーのノウハウを自分たちで持っていたのでできることらしいのですが、それが他の酒蔵さんでもできるんだ、ということにワクワクしましたね。

話がそれましたが、旭鶴さんはそんなこともあって印象に残っている酒蔵さんです。

千葉県北部エリア

鍋店

鍋店仁勇不動

代表銘柄は「仁勇」特約店限定の「不動」。

鍋店さんは千葉では大手蔵といってもいいでしょう。

理論と経験に基づいた、しっかりとしたお酒造り。
フルーティーでジューシーなお酒から、どっしりとした飲みごたえのあるお酒まで幅広く造っています。
ワイングラスで飲むようなお酒からワンカップ酒までシーンや好みによって選べるラインナップ。
お米の質もあるとはいえ、年々酒質が上がっている今が一番いいといえる蔵元さんです。
吊るしぼりなど、代表的なお酒もありますが、今は季節限定品のカラーシリーズがおすすめです。

千葉を代表する蔵の1つで、数少ない千葉の全国区の酒蔵さんでしょう。

鍋店さんも、『千葉日本酒活性化プロジェクト』のお酒『actiba(アクチバ)』参加蔵です。

蔵の元杜氏で営業の方は、日本酒を熱くしてくれる酒飲みオヤジです。

寺田本家

寺田本家

代表銘柄は「五人娘」、なのか?

ザ、自然!
無添加、無濾過、無農薬。
昔ながらの生酛造り。

自然の力、菌の力、発酵の力、人の手の力。
まさに文字通り自然の昔ながらの造りをしている酒蔵です。

味わいもお酒によって違い個性的。
おそらく同じ味のお酒って2つとないのではないでしょうか。

玄人向けの味わいが強いお酒が多いのですが、寺田本家さんはぜひ見学に行って欲しい蔵です。
昔ながらの自然な造りを感じられるのはもちろんなのですが、案内してくれる蔵人がおもしろい!
人によるのかもしれませんが。

蔵人たちが山卸しの櫂入れで唄う酛摺り唄をぜひ一緒に唄ってきてください。


以上13蔵。

簡単にまとめるつもりが予想外の大作に。
知っている、お酒もある程度飲んでいて覚えている酒蔵さんのみ選びました。
知らない酒蔵さんや、知っていてもお酒を飲んだことなかったり、飲んだことあっても記憶が薄かったりといった酒蔵さんは簡単にといっても書きようがないので今回は入れませんでした。
銚子の方の酒蔵さんのお酒、たぶん飲んだことないので飲んでみたいな。

日本酒のイメージのない千葉ですが、広い千葉だからこそバラエティー豊かなお酒があります。
千葉のお酒は決して華やかではないと思っています。
生活に寄り添った飲み疲れないお酒。
千葉県の陽気や県民の気性のように穏やかなお酒が多いように思います。

またワタシが日本酒に興味を持ち、千葉の日本酒に興味を持ってからみても、確実に酒質が上がっています。
日本酒も生物ですから年によって、出来不出来はあるものですが、他の都道府県をみても、全体的に酒質が上がっているといえるのは千葉のお酒の特徴かもしれません。

お酒選びに迷ったら、ぜひ千葉のお酒を思い出して飲んでみてください。

あなたの食事の時間を穏やかに豊かにしてくれるでしょう。


今年はこのうちいくつかの酒蔵さんに直接伺おうと思っていたのですが、コロナの影響で全て中止。
来年こそはいきたい!

その時は1つの酒蔵さんをもっと掘り下げて紹介したいですね。

※酒蔵さんの画像は、千葉県酒造組合の千葉の地酒 蔵元マップから引用しました。



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