ADHD疑惑と探し物

探し物に費やす時間の長さはADHDを疑う大きな理由である。何が起きているのかを考えてみる。

•物を落下させやすい
手に持ったスマートフォンやレジ袋などが落下することが多々ある。掴みそこねるのではなく、保持していたものが突然床や地面に落ちているのである。手指の力が抜けているのだろう。
幸い、落ちたことに気づくことが多いようで、落下による紛失(文字通りの落とし物とでも呼ぼうか)は少ない。もっとも、落下したことに気づかず、失っていることにも気づいていない失せ物がないとは言えないわけだが。

•物が行方不明になる
まず、無意識に物をどこかに置くようである。とにかく物の行方がわからないことが多い。

鍵や財布の置き場所を決めるという工夫を聞くが、外出しようとしても鍵置き場に鍵は置かれていないし、帰宅後に鍵置き場に置こうと思ったときにはもう鍵がないのだから有用ではない。紛失防止タグで音を鳴らせるものは、少なくとも近くにある(外でなくしたわけではない)という安心を与えてはくれるが、音がどこから鳴っているのかわからないため無意味である。特に鍵は、今自宅にいるのであれば、少なくとも帰宅時までは所持していたわけであり、新情報が増えるわけでもない。

現実的な工夫として、大きく重く鮮やかな色合いにすることと、括り付けておくことは有効だった。過去に伸びるキーホルダーを使っていたこともあるが、何に取り付けておくかということまで含めて設計しないと結局見失うので、括り付けには注意が必要だった。

•見失うと見つかりにくい
見失ったものは完全に見失われており、眼の前にあっても見つからない。解決策は他人の目を借りることだけである。部屋を監視して最後に置いた場所を記録してくれるツールが誕生しつつあるそうだが、それが現実的な対策だと思う。

何度視界に入れても見つけられないため、ひょっとしたらあそこに?いやあちらに?と広域で無意味な探索を行うことになる。
出かけたいのに鍵が見当たらないというようなストレスにより、余計に頭が働かず、探し物が捗らないと感じている。

その他では、例えば単漢字変換で漢字を見つけ出すことが難しいなど、整然としていても多数並んだ物の中から目当ての物を探すことに苦手意識がある。
スマホのアプリ一覧も見づらい。縦横方向に広がると探し出しにくいと感じる。1次元方向、階層構造の方が扱いやすい。

ひょっとすると、ウォーリーの姿を知らないままウォーリーを探しているのかもしれないと考えたことがある。
探す時にその対象は目の前にない。そうなると、探すべきものがどんなものかがわからない。

不注意状態で物を置く→三次元空間が複雑過ぎて物体1つずつを分けて捉えにくいし、情報が多くて処理しにくい→視界に目的物を捉えても、探すべき物の姿をイメージできないから一致を認識できない
という流れなのではないかと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?