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皿うどんサラウンドの皿を割って話そう〜ハムスター 我が実家の二大トップスター〜

本日は実家にて、家族、親戚が一堂に会し
そうめん流しパーティーを開催。
個性的な人間多々おれど、
やはりトップスターは
オードリーヘップ婆さんと
我が偉大なる母であり、
その輝きたるや甚だしい。
そしてこの二大トップスターの息が合う時は
森羅万象、海千山千、いかなる魑魅魍魎も
太刀打ちできず、
多感な頃の甥っ子、姪っ子達は、
そのあまりな閃光に視力を失うほどだ。
しかし叔母は思う。
その光に慣れないことには
大人の階段は登れやしないと。

姪っ子が飼っていたハムスターが
お星様になった。
連絡を受けた際には私も涙した。
本当に可愛いくて
食いしん坊なハムスターだった。

しかし我が家の二大トップスターは
扱いが違っていた。

姪っ子が母に
「おばあちゃん 穴を掘ってお墓を作りたい」
と掌に乗せたハムスターの亡骸を見せると
「こりゃあネズミじゃ」
とシッポをつまみ
乱暴に焼却炉へくべようとした。

姪っ子はハムスターを拾い、
泣きじゃくりながら
婆さんの所へ行った。

婆さんは婆さんで
「こりゃあカラスのエサじゃ」
と下の畑に放り投げた。

大泣きしながら、拾いに行き
妹と私がしゃべっている所へ戻ってきた。

泣きすぎてしゃっくりをしながら
顛末を話す姪っ子が
なんとも気の毒ではあったが
妹と私は
「あの二人はそうじゃった」
と苦笑うしかなかった。

すっかり忘れていたが
母も婆さんも
昔からネズミとヘビには容赦がなかった。

特にヘビは血祭りに上げないと
気が済まなかったようで
母が「ヘビじゃ〜」と叫ぶと、
婆さんはどこにいようとすぐさま現れ、
クワを振り下ろす
「ザクッ」という音が聞こえると
「さすが婆さん」と歓喜の声が上がり
高揚した二人は
血を滴らせなごら、
獲物を見せに家の中に入ってくる。

家族にいいだけ見せると
(私は絶対見ない)
亡骸を下の畑に投げ、
カラスの餌となるのを待った。

ご先祖様や、
飼っていた歴代のペットのお墓には
毎日花を手向け、お経を読み上げ
至極大切にする善良な人間であるのだが
こと家族に危害や病気を及ぼすかもしれない
動物に関しては容赦がない二人。

泣きじゃくる姪っ子に
「婆ちゃん達に任せたのが悪かった」
と謝り、姪っ子、妹、私の三人で
シャベルを持ち、裏山に登った。

火炙りとカラスのエサとなるのを
なんとか免れた小さな亡骸を
穴に埋め、墓標を立て、
「これに懲りず、
また我が家に生まれ変わっておいで」
と三人で手を合わせた。

あんなに可愛がっていたんだもの。
きっと暫くしたら何かの形で姪っ子の前に
生まれ変わってくれるだろう。

間違っても
ネズミやヘビに生まれ変わり
実家の腕利きの
二大トップスター達の前には
現れないでおくれ。

確実にお星様されるぞ。

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