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家族葬ならお通夜はしなくていい?通夜なしのメリット・デメリットと流れ

身内だけで故人をゆっくり見送りたい…。と考える場合、家族葬を選択するのが一つの方法です。

葬儀は家族葬でと考えているものの、お通夜はしないといけないものなのだろうか?
そもそも、お通夜とは本来何をするものなのか?

このように疑問を持つ方が多いでしょう。お通夜とは、故人と最後の夜を過ごし、親しい人々が故人を偲ぶための時間です。

本記事では家族葬でお通夜なしを選択した場合に得られるメリットとデメリット、注意点を解説しています。
また、喪主を務めることになった際や親族として参列する場合に備え、事前に知っておきたい家族葬の流れを見ていきましょう。

お通夜をしない場合のメリットとデメリット


家族葬で、なおかつお通夜なしという選択をした場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。主なメリットは以下の点が挙げられます。

  • 葬儀費用が抑えられる

  • 遺族の方々の精神的・体力的負担が軽減される

  • 故人とゆっくり最後を過ごせる

喪主が故人の死という悲しみに直面している中で葬儀の準備に追われることは非常に大変なことです。そのため、上記のようなメリットは非常に大きいですが、その一方で、デメリットも十分に理解しておくことが重要です。主なデメリットは以下の通りです。

  • 故人とお別れができない人が出る可能性がある

  • 菩提寺から許可がおりない場合もある

メリット・デメリット両方の視点を踏まえて、家族や関係者としっかりと話し合い、最適な選択を行うことが大切です。

メリット

1. 葬儀費用が抑えられる
 お通夜を行った場合、参列者への返礼品や料理、飲み物などの費用がかさみます。
 また、遠方から来る親族が通夜式と告別式の両方に参列する場合、宿泊費なども必要となり、全体的な費用が上乗せされます。そのため、家族葬でお通夜なしの選択をすると、これらの追加費用を抑えられるため、経済的な負担が軽減します。

2. 遺族の方々の精神的・体力的負担が軽減される
 お通夜を行うと当然、遺族や僧侶への接待をはじめとした多くの準備を必  要とします。
 故人の突然の逝去によるショックで精神的にも肉体的にも疲れ果て、眠れずにいる中で、通夜式と告別式の2日間にわたって気を配り続けるというのは、通常の状態であってもしんどいものです。そのため、お通夜を省略する選択は、遺族の精神的および体力的な負担を軽減するための有効な方法の1つです。

3. 故人とゆっくり最後を過ごせる
 お通夜を行わないことで接待の準備が不要となり、その分、故人と最後の時間を十分に一緒に過ごせます。
 この時間の節約によって、告別式の準備にしっかり時間を充てられるようになります。 告別式に特化して葬儀担当者とじっくりと話し合い、どのような式にしたいのかを考える時間が増え、告別式に特化した計画を立てることが可能です。

デメリット

1. 故人とお別れができない人が出る可能性も
 通夜式と告別式の両方を執り行う場合は、仕事や他の用事がある方でも、どちらか一方に参列すれば故人とお別れができます。
しかし、告別式しか行わないと、その機会が限られてしまい、故人とお別れできない人が出る可能性があります。

2. 菩提寺から許可がおりない場合も
 菩提寺や地域によっては、通夜式を執り行うのが通例となっています。
 そのため、お通夜を省略することには、事前に菩提寺と十分に話し合い、確認をとっておくことが必要です。

最近の家族葬でのお通夜とは

本来、お通夜とは故人を偲び、夜通し明かりを絶やさずに過ごすものでした。しかし、最近では簡略化され通夜式は2時間程度で終了し、参列者が集まって食事を共にする通夜振る舞いを含めても、3時間程度です。

この短縮されたスケジュールは、多忙な日常を送る参列者にとって参加しやすくなっています。
お通夜をしない選択に懸念がある場合は、極力負担を減らしながら通夜式を簡潔に執り行うことも一つの方法です。通夜振る舞いで提供する料理をお寿司やオードブルなど手軽なものを用いれば、準備や後片付けの手間が少なくて済みます。このように、形式を工夫することで、故人を偲ぶ本来の目的を保ちつつ、現代のライフスタイルに合わせたお通夜を実施できます。

お通夜をしない家族葬の流れ


通夜式をしないと決めたら、次は家族葬の流れを見ていきましょう。
主な流れの項目としては、以下の手順があります。

  • 安置場所へ搬送

  • 葬儀・告別式・出棺

  • 火葬・骨上げ

実際の場面になれば、流れは基本的には葬儀会社のスタッフが促してくれます。
しかし、大まかにでも流れを掴んでおくことは、戸惑わないためにも重要なことです。

安置場所へ搬送

病院や警察などから遺体を葬儀会社の車にて搬送します。その搬送先は自宅にするのか、葬儀社かを事前に相談しておいた方が良いでしょう。
葬儀社で安置すると、家族と一緒に親戚も宿泊可能であり、家で布団を用意する手間と気苦労が軽減されます。しかし、長年暮らしてきた家へ故人を連れて帰りたいという心情もありますので、家族でよく相談することが必要です。

葬儀・告別式・出棺

葬儀(葬式)とは、宗教的な儀礼のことで、僧侶による読経や焼香、神主の祭祀などが行われます。これは故人を弔い、その魂の安寧を願うための行事です。
その後、告別式に移ります。告別式は、生前に故人と親交のあった人々が最後のお別れをするものです。宗教的な意味合いのものではないので、友人や近所の方、会社でお付き合いのあった方など、故人と関わりのあった誰もが参列可能です。
告別式が終わると出棺へと進み、葬儀スタッフにより、棺が式場の中央に移動されます。棺のふたが開けられ、参列者は花や、故人の愛用品、手紙などの副葬品を棺に入れます。
故人との最期のお別れが終わると、棺のふたが閉じられ、火葬場に向かうため霊柩車へ乗り込みます。

火葬・骨上げ

火葬場に到着後、まず「火葬許可証」を提出します。これは役所に「死亡届」を出した時に発行されるものです。火葬が終了すると、この証明書に火葬をしたことを示す証明印が押され、「埋葬許可証」に変わります。この許可証は、故人の遺骨をお墓に納める時に必要です。

火葬が行われる前に、葬儀と同じように僧侶による読経があります。その後、喪主から焼香を行うのが一般的です。

その後、棺を炉の中に納め火葬が始まります。火葬の所要時間は大体1〜2時間程度です。その間は火葬場の待合室で待機し、地域によってはこの時間に食事を取ることもあります。

火葬が終わると、遺族は炉の前に案内され、骨上げ(収骨)を行います。骨上げでは、遺骨を全部拾い上げる場合と、一部のみを納める場合があります。通常、どちらも歯の遺骨を納め、次に足から頭に向かって遺骨を集めていきます。最後に故人と最も縁の深かった人が喉仏を納めます。火葬場の係員が手順を案内するので、その指示に従って進めましょう。
骨上げが終わると、最後に、精進落としと呼ばれる食事の席を設けます。火葬場から移動し、料亭で行うか、自宅で振る舞うか、相談しておくことも必要です。この時の食事は、遺族が亡くなった人を偲びながら、一同で心を落ち着ける大切な時間です。

一般葬と家族葬の違いではこんなことがある!


ここまでお通夜なしの家族葬を前提に進めてきましたが、一般葬とはそもそもどこが違うのか参考までに見ていきましょう。

費用面でこれだけ違う!

基本的に、家族葬でも一般葬でも、葬儀や告別式にかかる費用はほとんど変わりません。では、何が大きく変わってくるのでしょうか。
まず、参列者へ渡す、返礼品と呼ばれるものの数です。返礼品は、お茶やタオルなど、一つあたり500〜1,000円程度で準備することが一般的です。
他には、会社関係者から供花やお供えをたくさんの用意があった場合、祭壇もそれに見合った大きさのものにする必要が出てくるかもしれません。
会場もより広いホールを準備することになり、出棺の際に入れる花の量も増え、これらの要素が費用に大きく影響します。

お香典やお供えのお返し

最近では、お香典を辞退する人が増えています。一般葬と家族葬の大きな違いの一つは、参列者が多ければ多いほど、比例して出費が大きくなることです。
しかし、お香典を受け取ることで、その負担は軽減されます。一方で、家族葬だから安価でできると考えて、お香典を辞退すると予想外に遺族の経済的負担がかかるケースもあります。
「香典」という名目では受け取ることができない場合、参列者は「お供え」として線香やお菓子などを持参することが増えました。そういった場合、遺族はお返しとして何か準備するとなると、お香典を受け取っていないため、かえって遺族の負担になる場合もあります。
喪主側は香典を受け取るか辞退するかを、参列する側は香典としてお金を包むのか、お供えとして物を準備するのかを改めて考えてみるのも良いでしょう。

家族葬の注意点


家族葬を選ぶ際にはいくつかの注意点があります。まず、家族葬が一般的な葬儀に比べて必ずしも低コストであるとは限らないため、費用に関する誤解を避けることが重要です。
また、「家族葬」はその定義が非常に曖昧で、間違いもない代わりに正解も存在しません。自由性が高いということが良いところでもありますが、その分自分たちで多くの決定を下さなければならないという責任も伴います。
葬儀会社の担当者としっかり連携をし、不明点は積極的に質問しましょう。

家族葬はお通夜なしでもできるが、お通夜をしない選択の理由が大切!


家族葬を選択しても、多忙な生活の中で十分な時間を確保するのは難しいこともあるでしょう。
ですが、故人が生前に深く交流していた親交の深い人もたくさんいるはずです。そのような多くの人がきちんと最期のお別れができる日程になっているのか、自分たちだけの都合で決めてしまっていないか、など立ち止まって考えてみて下さい。
大切な家族とゆっくり過ごす選択は、故人にとっても喜ばしいことでしょう。

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