姪に食器用洗剤を

「青いキラキラジュースだよ」
姪と2人きりのタイミングで、声をかける。
いそいそと来た姪に、青い液体の入ったコップを手渡した。

姪が自分の口元に向かってコップを傾けると、とろみの付いた青い液体がゆっくりそちらへ流れていく。

「こぼさないで飲めるかな?」「上手だね!」
優しい声と目線を向けながら、姪が青い食器用洗剤を飲み干すのを眺める―。


そんな妄想をするほど、私は姪が大嫌い。

耳ををつんざくような奇声、泣き声、はしゃぎ声でさえも、もう本当に聞きたくない。

「事故にあいますように」
「もう帰ってきませんように」

毎日祈って、毎日姪を殺す妄想をしてる。


手をあげてないだけ許してほしい。


一度だけ限界が来た私は母に「姪に手をあげるかもしれない」と相談したことがある。母には「ありえない。やめて。」と突っぱねられた。
その瞬間、

"否定される感情を持ってしまうのは姪のせいだ"

そんな憎悪が湧いて、今すぐにでも姪を懲らしめたくなった。


そして、今日も姪が泣いている。

原因は、私がリビングの扉を勝手に閉めたこと。

扉の閉まる音が聞こえた瞬間、姪はハッとした顔をして、突如泣き出した。

「扉閉めたかったの!自分で閉めたかったのー!」
仰向けになり手足を床にバンバン打ち付ける。

本当にうんざりする。

だから、透明で七色の泡を吐く姪を想像する。
また、頭の中で姪を殺してやり過ごした。


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