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大河ドラマ「光る君へ」第三回感想

第三回のタイトルは「謎の男」でした!道長のこと?散楽の人のこと?どっちのことでしょうね、どちらもかな?


道長と藤原公任と藤原斉信の三人の男性貴族達が宿直の日に囲碁をたしなみながら女の話をするのは『源氏物語』の雨夜の品定めみたいでしたね!男が集まってこういう女がいいとかああいう女がいいとか楽しそう。宿直をするのってやっぱり若くて身分がそこそこの男性貴族なのかしら。

まひろは父親にすすめられて左大臣家の娘倫子のサロンに参加するのですが、徒歩で左大臣家に行ったと見えて壺装束のような短い袴で屋敷の中を歩いています。一方他の女性陣は皆長袴姿であり屋敷の庭には牛車も見られることから彼女等は牛車で屋敷に来ているものと思われます。経済状況や家格の違いまひろの性格もあると思いますがあと一点、まひろにはその辺りの世話をやいてくれる母親や下女がいないというのが大きいと思います。『源氏物語』でもそうですけど後見人がいないとか母親がいない女君はなかなか不遇な目にあいますよね。紫の上も母親を早くになくして父親とは疎遠だったから少しだけまひろと状況が重なるのかもしれない。もう裳着も済ませた貴族の娘なのにちょっと可哀想な気もする。
まひろが自分の父親が今は役職についていないと告げると女性陣が驚く場面もありましたが、その辺りのまひろの立場の低さの見せ方が実に上手いと思いました。


倫子のサロンには赤染衛門がいましたが、この赤染衛門役の俳優さんが品があって堂々としていて本当に素敵でした!
↓は紫式部の赤染衛門評なのですが、赤染衛門はこちらが恥ずかしくなるくらい立派な歌を詠むと書いていますね。


丹波の守の北の方をば、宮、殿のわたりには、匡衡衛門とぞいひはべる。ことにやむごとなきほどならねど、まことにゆゑゆゑしく、歌よみとて、よろづのことにつけて、よみ散らさねど、聞こえたるかぎりは、はかなきをりふしのことも、それこそ恥づかしき口つきにはべれ。
ややもせば、腰はなれぬばかり、折れかかりたる歌をよみいで、えもいはぬよしばみごとしても、われかしこに思ひたる人、にくくもいとほしくも覚えはべるわざなり。

(紫式部『紫式部日記』)


母親もおらず外出も禁止されていたまひろは文化に触れることに飢えていたので倫子のサロンに参加できたことが嬉しかったようです。しかしその喜びもつかの間、自分がサロンに参加できたのは間者の役割をするためだったと知り悔しくてたまりません。
サロンに馴染もうとしつつも馴染みきれなくて左大臣家からの帰り道に街をそぞろ歩きするうちに散楽の見物人の中に道長を見つけ、道長の方もまひろに気づいて駆け寄ります。
こ、こ、が!なんですかこのときめきパートは!!まさか道長と紫式部の恋愛がこんなにきゅんなことになるとは思いませんでしたよ!!
昔見た大河ドラマ「花の乱」の市川新之助と松たか子の恋愛パートくらいきゅんきゅんする!!
あーもう、この二人が世間一般の貴族のように妻問い婚するような関係になれたら素敵なのに!この先のこと考えたら、この時点でこんなに惹かれ合ってるのはつらいなぁ。


次回はまひろが五節の舞姫をやるみたいですね。装束が楽しみ。