見出し画像

データ分析組織の立ち上げ方 - 特にベンチャー企業において


想定読者

  • これから初めてデータ分析組織を立ち上げる人

私の経歴

  • 新卒で半年SEをした後、前職(30人ほどのベンチャー企業)にて1人目のデータサイエンティストとして入社。2年でチームを8人まで拡大

  • 現職(50人ほどのベンチャー企業)にて1人目のデータサイエンティストとして入社。2年でチームを4人まで拡大

ということで、前職、現職の共通点を書いていきます

注意

  • 私の個人的経験に基づくものであるので、絶対的にそうだというものではありません。あくまで参考までに

  • 私は幸運なことにデータ基盤がある程度整っている段階で入社しているので、データ基盤整備に関する記述はありません

STEP1. 成果を出す = 信頼を勝ち取る

まず第一にすることは、とにかく成果を出して信頼を勝ち取ることですね。
一口に成果と言っても様々なパターンがありますので「成果」の具体例を見ていきましょう

成果1. 売上に貢献する(営業部署と向き合う)

一番最初に考えるのは、やはり売上に貢献することです。
もしSaaSを販売している企業であれば、

  • 既存顧客のアップセル率を上げる

  • 解約率を下げる

ことに注力しましょう。
具体的手法については後日記事にします。
どのような企業形態にせよ、営業の方たちと良い関係を築き、課題を明らかにして、データからアプローチしていくことが良いと思います。
SaaSの指標は以下を参考にすると良いでしょう

成果2. データを可視化する(上層部と向き合う)

一人目のデータアナリストが入る段階では、今日何人がサービスを使ったか(=DAU)など、現状のデータを把握できていないことがほとんどです。
ですので、誰でも・いつでも現在状況を把握できるような仕組みを作りましょう。
売上などの経営情報でもいいですし、DAUなどの顧客の利用情報でも良いです。
何の情報を出すべきかは、上司や社長に聞くのが一番です。
どんな情報を見れれば意識決定がしやすいのが、現状が把握しやすいのか、ヒアリングしましょう。
また、可視化出来るようなBIツールを導入していない場合は、slackに毎日投稿するような仕組みを作っても良いでしょう。
可視化する際には、シンプルに、わかりやすく、(変な)こだわりは捨ててやりましょう。
下の本などを参照してみてください。


成果3. 施策の効果検証をする(PdMと向き合う)

施策の効果検証(=振り返り)を常態化させることも重要な成果となります。例えば

  • 新しくリリースした機能の利用率は?

  • メルマガの開封率は?

などなど。
特に注力している施策をヒアリングして、その振り返りをアナリストが担い、しっかりPDCAを回せるようにサポートしていくようにします。

STEP 2. 全社的にアピール

STEP 1. で成果を得られたら、次にアピールする機会を作ります。
(というか、成果として評価されていれば勝手に作られます。)
適当にこなしがちですが、全社にアピールしてデータアナリストの意義存在感を示すことは組織を拡大するために欠かせないSTEPですので、しっかりとアピールしましょう。
私の場合は、アピールする際に以下のポイントを心がけています

  • 何が出来るようになったかを明確に示す

  • それによって何がもたらされたか示す

  • 他にどんなことが出来そうか具体的に示す

  • これまで・現在の環境を悲観的に言わない

STEP 3. 複数部署と関わる

最初の成果を出す段階では、1つの部署や特定の人とだけ仕事をすることになりがちです。そこで終わるのではなく、他の部署・人とも関わり成果のバリエーションを増やすようにします。
STEP2でしっかりアピールできていれば、スムーズに行うことができます。
しっかり自分から他者を巻き込んでいくことが必要です。

STEP 4. 人手を増やす

STEP3に取り組んでいると、「あれ、これ一人じゃ無理じゃね?」と思うようになります。
さあ、採用に向けて動きましょう。
人を採用しようとすると次のようなフローになるでしょう

  1. 上司・社長など権限がある人に相談

  2. 人員計画を変更する

  3. 人事担当者に相談して、ジョブディスクリプションを作成

  4. 人事担当者に 媒体に乗せてもらう or エージェントに話してもらう

    • エージェントと面談する場合も

  5. カジュアル面談の準備をする

  6. 実際に選考作業に入る

上記のように、様々な人が関わってやることも多いです。
私が経験した範囲ですが、人員計画が絡んでくるので(株主への説明が必要になるケースもあります)、かな〜り時間がかかりました。
そもそもデータアナリスト・サイエンティスト自体が少ないですし。
ですので、極力早い段階から取り掛かる必要があります。

STEP 0. 効率化を考える

さて、ここまでをまとめてみましょう。
データ分析組織を立ち上げようとしたら

  • 早急に成果を上げる必要がある

  • その成果を全員に共有する

  • 1つの部署だけではなく複数の部署と関係を持ち成果を出す

  • メンバーを増やす

を1人で行う必要があります。
単純にデータ分析をしていれば良い、というわけではないのです。
1人で立ち上げから組織拡大までをやり切るために、心がけておいてほしいのが

効率化を徹底的にやる

ということです。(心がけてほしいのでSTEP 0です)
企業に入ってデータ分析する人が自分だけ。そうなると、コードはぐしゃぐしゃ。ハードコードしまくり。だってそのほうが目先の業務はすぐ終わりますからね。
私はそれでたくさん後悔しました。
「あーこれ関数化しておこう」と10回思って関数化せず、10回コードを微調整して実行する自分がいました。関数化すれば微調整する必要なんてないのに。
私のようにならないためにも、徹底的に効率化してください。
自動化出来るものはすべて自動化しましょう。
退屈なことはPythonにやらせましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?