見出し画像

フューチャーシェイプラボ産業 ~Industry-Up Week Autumn 2021

今日紹介するのはフューチャーシェイプラボ産業。具体的に何をする産業かというと、新規事業とかオープンイノベーションを生みだす場を作って提供する産業のようです。このSUNDREDのイベント自体もフューチャーシェイプラボ産業と言えそうですね。

何をする産業なのか?

分かりやすい具体例として、FCAJ(Future Center Alliance Japan)が掲げるWISE PLACEというものを紹介します。

画像1

新しいものを生みだすためには、
・仮説をつくる場
・プロトタイプする場
・検証する場
の3つの場の連携が重要になります。

この場は新規事業を作るだけでなく、新たな基準を作る、共通認識を作る、関係を作る、いろんな目的に使うことができます。

昔は個別の企業が自社で事業を作り上げて社会変革を起こす、という形が多かったですが、今は各企業が社会目的を共有して、アセット(資産)を持ち寄って協力して新しい事業・産業を作っていくのが主流です。

それを実際に進めていこうとしたとき、上記のWISE PLACEのようなモデルが有効だということが分かってきました。こうした場作りを進める、支援するのがフューチャーシェイプラボ産業です。

どれくらい役に立つの?

社会実装まで見据えて進めるのは、地方自治体にとってもありがたいことです。例えば、ある自治体がJAと組んでスマート農業の実証実験をしようと思ったときも助けられました。地方は高齢化が進んでいてテクノロジーに対する理解がまだ低いです。使いやすいサービスアプリを作っても、そもそもスマホを持っていなかったりします。そこを電話一本でサポートしてくれて、農家さんにも好評だったので、素晴らしくありがたい存在でした。

社会目的をみんなで協力して作っていく。各自の目的・役割が混ざり合って、その中からみんなが共感できる目的が見えてくるようになる。そういう場を作ることが、これからの共創・価値づくりに重要になります。

3つの場を繋ぐ人=越境人材

仮説を提案する人、モノを作る人、それを使う地域の方々、そうした3つの場を繋げる重要な存在が、越境人材です。3つの異なる場のことを知って、橋渡しをする人がいないと、なかなか次のステップに進むことができません。

フューチャーシェイプラボ産業とは、そのような越境人材を集めて、世の中の意見を融合させて、共感できる社会目的にまとめあげていくことと言えるのではないでしょうか。

感想

新規事業を進める上でも、WISE PLACEのような概念はとても大切だと思います。ここで交わされた議論は、いずれも非常に重要で納得感のある話だと思いました。

今は、このフューチャーシェイプラボ産業というのが、実質的には新規事業コンサル業のような形でしか動いていないと思います。スタートアップ支援だったり、アイデア探索だったり、マッチングシステムだったり、クラウドファンディングだったり、様々な新規事業を支援する仕組みが生まれつつありますが、それらがお互いに連携してWISE PLACEのような共通の場作りをするには至っていないと思います。

コンサル業は知見の広さが競合優位性に繋がると思うので、競合と連携するのは難しいのかなぁと思ったりもしますが、そうした壁もなくしていこうというのがフューチャーシェイプラボ産業の目指すところなのかなと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?