コミュニティ・オブ・プラクティス読み終わりました。第8章~第10章を簡単にみていきます。基本的にはこれまでの話の繰り返し、具体例の紹介だったように思います。
実践コミュニティをどう評価するか
特に企業では、活動を評価することが重要ですが、こうしたあいまいなコミュニティの評価は難しいです。うまい方法はないのですが、とにかく成果で判断するのはダメなので、なるべく「物語」にしてその価値を訴えろ、と筆者は言います。
コミュニティを評価するうえでは、次のような質問も役に立つ。
こうした評価は、特に企業のなかで実践コミュニティを運用するときに重要な観点となる。しかし、実践コミュニティは決して会社内だけにとどまる存在ではなく、広く市民活動にまで浸透していく。
本書は2002年に書かれたものなので、まだまだインターネットコミュニティは発達していなかったが、今ではオンラインサロンのようなインターネットでの実践コミュニティが山ほどある。まさに上記に書かれていた通りの時代がやってきたと言えよう。
今となってはどの機能も当たり前な感じがするので、この著者の考えは正しかったんだなぁと感じられますね。
解説・まとめ
本文はこれでおしまいで、続いて解説です。日本人有識者が、本書の解説をしてくれているので、こっちの方が分かりやすい説もある。
文脈がないと他所で応用ができない、という話もありましたね。だからこそ物語にして価値を評価する必要があるのでしょう。
コミュニティの領域が大事だ、という話でしょう。確かに、自由と規律が両方必要なのも分かります。自発的に頑張るようになる、そんな力が必要ですね。そんな場を作るために、以下の3種類の人がいるとよいそうです。
身近なコミュニティはせいぜいジェネレーターがいるくらいで、コーチやアクティビストのような高い視野のひとはなかなかいないですね。そういうのがいないと、成長するのは難しいのかもしれません。
最後の方は、本当に理想的なことが書いてありますが、高い国語力を持ち、心理的安全性の確保された仲間と、自発的に真剣に問題に取り組む、という状態にならないと実現しえない感じがして、なかなか崇高な目標だなぁと感じられます。
そんな感じで、最終的に行き着くところはどの本もだいたい同じですが、実践という切り口でコミュニティを考えるのはとても面白いと思いました。
おわり