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ワークライフミックス産業 ~Industry-Up Week Autumn 2021

今日紹介するのはワークライフミックス産業に関するトークセッションです。もはや何も産業ではなく、ワークライフバランスをお題にみんなで対談しましょう、とい企画ですね。とても面白かったです。

ワークとライフをミックスしよう

仕事と生活のバランスを取ろうという話はキーノートでもありました。生活を充実させると、その経験が仕事にも活きてきて好循環を生むよね、という話でした。そこからさらに発展すると、単に仕事と生活のバランスを取るだけでなく、もはや両者が融合して境界が分からなくなる、ミックスされた状態になります。そこで、仕事と生活の融合度合いに応じて以下の3つに分けました。

①ライスワーク:食事、生活のためにする仕事、義務的な、やらなければいけない仕事
②ライクワーク:好きなこと、やりたいことを仕事にする
③ライフワーク:仕事が人生の一部となって、やるべきこととして取り組んでいる状態

さて、あなたの今の仕事は①~③のどのステージですか? あなたがいま大切にしたいライフってなんですか? というのが、このセッションにおける問いです。

好きを仕事にするべきか

ワークライフミックスなんて、そんな働き方はごく一部の限られた人にしかできないんじゃないか、と思う人も多いです。好きなことを仕事にするなんて幻想だ、嫌なことを引き受けるからお給料をもらえるんだ、という考え方は根強くあります。

逆に、先行き不透明ないまの時代、好きを仕事にしないと変化に対応できなくなる、好きじゃないことを仕事にしても耐えられない、効率が出ないからダメだという風潮もあります。

これらは別にどれが正解という話ではなく、自分にあった働き方を選べばいいのだと思います。それは言い換えると、あなたは自分のライフの中に混ぜてもいいワークをしていますか、という問いになります。主体的にライフの中にワークを混ぜ込んでいるのであれば、それは好きなことでも大変なことでも、自分にあった良い生き方といえるのではないでしょうか。

好きな場所で働けるか

仕事においてもう一つ重要な要素は場所です。好きな場所で働くアドレスホッパーみたいなのも、フリーランスの人しかできないんじゃないか、と思われていますが、そんなことありません。たとえばLivingAnywhere Commonsというサービスでは、全国各地の好きな拠点を自由に利用・滞在できて月額27500円。

Otellでは平日ホテルワークが4泊5日で19800円~。

もはや定住に縛られる必要のない時代が来ています。むしろ、自分が移動したい、変化したいと思ったときに住宅ローンを35年抱えているなど縛られる要因を持っている方がリスクとも考えられます。

自由に選べる時代、選ばないといけない時代

今は、仕事内容も、働く場所も、自由に選べる時代になってきました。便利な都会もいい、自然の豊かな地方もいい、その間で自分の好きなグラデーションを選ぶことができます。でも、逆に自分で選ばなきゃいけないともいえます。自分で決めなくても安定した将来を約束してくれる定められたレールがなくなって、自分の幸せのためには自分で考えて自分にあったものを選ばないといけません。

たとえば、最初は営業としてバリバリ働くことが生きがいだった方。目標を達成して、仲間と飲み会してモチベーション上げて、どんどん成功していく体育会系の働き方がいいと思っていた。でも、あるとき全然違う業種の人と一緒に仕事をして、営業の成功なんて井の中の蛙だと気付いた。外の人と仕事をするのはとても面白いし、作りたい社会が意外と実現できるんだと気付いたそうです。

大切なのは、選ぶこと。そのためにまずは、気付けること。何かしら自分が知らないことに気付くきっかけを持っていないと、一生狭い井の中で暮らし続けて終わってしまいます。もちろん井の中が快適で幸せなら、そのまま一生を暮らしてもいいかもしれませんが、世の中にはつらく苦しい井の中にいて、それでも外の環境に気付かず暮らし続けているパターンも多いのではないでしょうか。

快適な空間から飛び出そう

住めば都ということわざもあるとおり、長い間同じところにいると、その場所は快適になって離れづらくなるものです。ましてや大企業で出世したりすれば、周りの人はなんでも言うことを聞くようになって、不快なことなど何一つなくなったりします。

そういう状況が怖い、といって、自ら積極的に自分の知らない環境に飛び込む方がいらっしゃるようです。会社に居座って威張っている人と、そうやって外に飛び出せる人と、どちらが魅力的な人間になるかは明らかです。

そうやってどんどんやりたいことを広げていける、どんどん気付きを増やしていくことが重要です。

そして収斂する

やりたいことをどんどん増やしていくと、あるところで、逆に一つに絞り込みたくなるタイミングがやってきます。どれもこれも楽しいことだけど、でもどれも中途半端になってしまう。自分のライフワークとして1つに専念したい、というターゲットが見えてきます。

これはやりたいことをたくさん見て経験したから、ようやく絞り込めるようになった段階です。つまり、①ライスワークという快適な空間から飛び出して、②ライクワークをどんどん広げていくと、最終的に③ライフワークが絞り込めるようになる、ということなんだと思います。

さて、それではもう一度、冒頭の問いを読者の皆さんに。あなたの今の仕事は①~③のどのステージですか?

感想

わたしの周辺でも「くらがりチャレンジ」という、ちょっと心細いことにチャレンジしてみよう、という流れが推奨されているのですが、まさにそれと同じことが議論されていて熱くなりました。

いかに自分の快適な空間から抜け出せるか。それはとても難しい課題です。基本的に、強い人間にしかできないと思います。弱い人間にはそんな余裕がありません。だから越境・インタープレナーが集まるSUNDREDのイベントに参加すると、誰も彼も本当に強くて優秀ですごい人ばかりだなぁと思うのですが、そうじゃない人も世の中にはたくさんいるよなぁ、という気持ちもどこかにあります。

キーノートの感想でもその辺に触れましたが、どうやったら弱い人でも快適な空間を飛び出せるようになるのか、そこが私にとって関心が強い分野なんだろうなと思いました。


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