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ライト、ついてますか

複数の方からオススメいただいた本、ようやく読みました。

要点をおさえて解説するビジネス本というよりは、物語を通して読者に身近に感じてもらうという趣旨で、ぱっと読んだ限りでは星新一のショートショートに解説がついたような構成でした。

本書の趣旨は「問題を解決するのは大変なことではない。大事なのは何を問題とするかだ」ということです。

多くの場合に、問題を解決することは取るに足りない作業である――ひとたび問題は何であるのかわかってしまえば。学校があんなにだめな問題解決者ばかり生み出している理由は、学生たちが問題は何であるのか見つけるというチャンスを決して与えられない、というところにあるのかも知れない。学校では、問題とは先生が問題だというものなのだ。それは信じたほうがいいのだ。

P137

最初に出会った問題文に飛びつき、急いで掘り下げ、苦い結末にたどり着くまでそれに固執するという「目をつぶって両足でピョン」という方式は、ぎりいり生き延びられる程度の成功率をもっている。もしそれが決して成功しないのなら、人はついにはそれを使わなくなるだろう。
「目をつぶって両足方式」がいつまでも生き延びているもう一つの理由は、「問題解決」が場合によってはそれほどまでに楽しい、というところにある。仮にわれわれが「真の」問題を解いているのではないとしても、それをわれわれが解きたいと思うことによって、それは真の問題となるのだ。

P138

だから、本当は解かなくてもいい問題に全力で打ち込むこともあるし、そういう無駄な努力を求められることもあります。私たちは、本当に解くべき問題はどこにあるのかを今一度考えなおす必要があるのです。

問題に対する感受性は、時間が経つほど鈍化します。最初は「これはおかしいだろう」と思ったことも、だんだん普通に思えてきます。与えられた問題の枠組みに疑問を持たなくなります。そして時間をかけて解決してはじめて、ああ、これは解くべき問題ではなかったんだな、と気づくことになります。

だから最初の違和感は大切に、目前の分かりやすい課題解決に惑わされず、本質的な問題がどこにあるかを考える必要があります。

ちゃんとやる暇はないもの
もう一度やる暇はいくらでもあるもの
本当にほしいか考える暇はないもの
後悔する暇はいくらでもあるもの

P158

ああすればよかったのにと後悔しても仕方ない。事前に必要だったかを精査するのは難しい。
ちゃんとした計画が立てれないから今はまだ始められない、ではない。今すぐ不完全でもいいから始めればいい。

真の問題にたどりつくための万能な方策はありません。常に問題発見について意識しながら、状況をよく観察するしかないのだと思います。

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