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第7回 毒親ラジオ

これまでずっと、40分で3人のお話を聞いてきた毒親ラジオですが、今回は1人からみっちりお話を聞けました。いつになく内容が深まって、とても面白かったです。

毒親の呪いと解呪

お母さんが典型的な毒親だったということで、何かにつけて「お前はダメだ」と言われ続けてきたそうです。ゴミ箱にゴミを入れたのがこぼれちゃったとか、ウミウシをかわいいと言ったとか、そんな程度のきっかけで「そんなだからお前はダメなんだ」と否定され続けてきたらしく、かなり自己肯定感の低い状態が続いていたようです。

自分の家庭が少しおかしい、これは母から呪いをかけられているのではないか、と気付いたのは20歳過ぎたくらいで、それまでは自分の親が特別ひどいとは全然気付けなかったそうです。自己肯定感が低いときは、「お前はダメな人間だ」と言われると、私はダメな人間だ、と洗脳されてしまいます。でもあるとき、母の方がちょっと間違っていて、自分に呪いの言葉をかけているのではないか、と気付いたそうです。

一度呪いの構造を認知できれば、それだけでも50%は解呪されたようなもので、大きな進歩です。この方は困ったことを人に相談するとか、状況を客観的に理解するとか、かなり社交性と知性をあわせもった方だったので、そこからは自発的にスクールカウンセラーや心療内科にたどりついたそうです。すごい。

母方のおばあちゃんも、お母さんと似ていてすぐ否定してくる抑圧的な感じだったので、呪いが連鎖してるんだろうな、とのことでした。お父さんも全然相談に乗ってくれなくて、お母さんは専業主婦で世界が狭く、世間体を気にして人に相談できない、非常に狭いコミュニティの中で生活していたらしく、ストレスのはけ口にされていたのではないか、とも感じました。

今はお母さんとの適度な距離感を保てるようになり、お母さんもパートの仕事を始めて外とのつながりが増えたからか、だいぶお互いの関係も改善してきたそうです。

自分の親と似た、自分を傷つけてくる人に近づいてしまう、という呪いからも解放されてきて、今は非常に明るく親しみやすい方になっています。今日の話を聞くまで、そんな重たい過去があるとはちっとも思いませんでした。

家族の定義

最後に、幡野広志さんの「ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。」という本を紹介してくれました。

この中で、アメリカ航空宇宙局NASAの定義する家族についての話があるそうです。それによると、家族というのは、配偶者と、子供と、子供の配偶者(義理の子供)だけだそうです。両親も兄弟も家族ではない、家族というのは自分の意志で選んで作ったものなんだ、と。

毒親からの呪いのことを考えると、非常に奥の深い定義だと思います。毒親の呪いは、基本的に子供から意思決定力を奪う傾向にあるので、そうやって自分の意志を尊重する世界観はとても重要だと思います。

終わりに

具体的な話はあんまり書きませんでしたが、ラジオ内では様々なエピソードを聞かせてもらえて、とても面白かったです。ありがとうございました。また来週もよろしくお願いいたします。

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