ひとりで孤独に楽しむ「没入型」デジタルアート空間、チームラボが提案
自分と作品が一体化しているーーそう感じさせる「没入型」のデジタルアート空間が7月7日、東京・豊洲にオープンします。施設の名前は「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」。先行して開かれたプレス向けの内覧会に参加し、幻想的な空間を一足早く体験してきました。(篠原諄也)
※この記事は2018年6月29日、ひとりを楽しむメディア「DANRO」で公開されました。
この施設は、DMMが出資する株式会社PLANETSが運営するもので、さまざまなデジタルアートを手がける「チームラボ」が作品の製作を担いました。チームラボ代表の猪子寿之さんは「身体と作品の境界が曖昧になることで、自分と世界との関係を考え直すきっかけになれば」と説明します。
非日常の世界に「没入」できる空間
施設には、7種類の大きな部屋があり、それぞれ趣向が凝らされています。
まず、入口のロッカーに靴と荷物を預けたら、裸足になって中に入ります。これは水の中に浸かる作品があるためです。取材した日は気温が30度を超える真夏日でしたが、会場の中はひんやりとした涼しさ。薄暗い廊下を通って、作品世界へと入っていきます。
さっそく、水が流れる坂にさしかかりました。「坂の上にある光の滝」と題された空間です。ここをザブザブと登っていかないと、先に進めません。水の流れは速いのですが、坂の面が滑りにくく足裏に密着するのでスタスタと歩いていけます。
次に訪れたのは「やわらかいブラックホール」と題された空間。旧ソ連の映画監督タルコフスキーの作品『ストーカー』を思わせる幻惑的な雰囲気です。足をとられて歩きにくく、前に進むのに一苦労です。転んでしまいそうになるのが楽しくて、童心にかえります。筆者はここではしゃぎすぎてPASMOを落としてしまい、出口に到達するまで気づかないありさまでした。
続いて、「The Infinite Crystal Universe」と呼ばれる空間に入りました。全面ガラス張りで、天井からLEDが入ったケーブル状の束が垂れ下がっています。光の色の変化が綺麗でした。鏡の反射を利用しながら色々な写真が撮影できるのが、面白かったです。
「ひとりで孤独に来て欲しい」
その次に訪れたのは「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング」と題された部屋。膝下ほどの深さの水の中に入り、歩いていきます。水面には鯉が泳ぐ像が映し出され、ぐるぐると動いています。人が近づくと逃げていきます。コンピュータプログラムで、リアルタイムで描かれているそうです。鯉がいなくなったと思えば、カラフルな光があふれる映像に変化していました。
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