【読書メモ】『ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門』の感想メモと次に読みたい関連情報

「ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門」という本を読んだので、読書メモを共有します。

なぜこの本を読むことにしたのか?


OK Goの「I Won't Let You Down」のMVを作ったひとが書いた本だということ、ビジネスパーソンとクリエイターのあいだを隔てる、デザインやものづくりに対する距離感について書いて有りそうな本だったから読むことにしました。

クリエイティブへのアプローチ

著者は、34歳からセールスからクリエイターに転身されたそうです。

上記のMVは全世界で話題になりましたが、どうしてこのようなMVが作れたのか?

著者は、アイザック・ニュートンの言葉を引用します。

私が彼方を見渡せたのだとしたら、それは巨人の肩の上に乗っていたからです。

すべてのクリエイティブには、過去の先人が作ってきたものが元になっていること、アイデアとは「なにかとなにかの組み合わせでできていること」、つまり、これまでの情報を多く知ることからクリエイティブがはじまると著者は語ります。

上記のMVの例ですと、参考になった過去の作品に

映画監督 バスビー・バークレー の作品を挙げています。

そのまま真似して作ると模倣ですが、一例として、ドローン撮影など現代的なアプローチを加えることでオマージュとして昇華させることも解説しています。

創造とは借りて盗んで返すと言うプロセスの繰り返しなのだ
p080
クリエイティブ手法
1.好きになる
2.好きを盗む
3.好きを返す
p081
好きを分析することから始めて、抽象化し、自分が今抱えているテーマや仕事に重ね合わせてみる。そして抽象化したコンセプトのどこかを置き換えたり拡張したりしてみよう
p091
※覚書なので、一部文章違います。

過去作品のインプットをすることは、経験則としても思うことがあり、プロフェッショナルはおのずとその物事に対しての知見が豊富です。

その豊富なインプットのなかから直感的に、論理的にアウトプットされるケースが多く見受けられます。

いわゆる、「センス」というものは、インプットが背景にあることはデザイナーの水野学さんも書いています。

また、数々のヒット広告をつくってこられた佐藤雅彦さんも、広告をつくるまえに、まずどんな広告が自分は好きか?過去の広告を見漁ったそうです。そのなかから、自分が良いと思う広告のなかに、法則性をみつけ、自身の広告の作り方を作っていったそうです。

「作り方を作る」ことは、

・前提からひとと違うのでオリジナリティが出せること
・再現性がある

も良い点だと語っていました。


作り方から作るとおのずとできたものは新しくなる。表現を目指している人たちではなく、新しい事業を作る人にも、そう大学で教えています。自分の作り方ってすごく自分のオリジナルがそこに入ります。そこをいま1番教えています。ずっと教えています。

佐藤雅彦

なにはともあれ、自分の好きな感覚、直感から良いと思ったものを集めることからはじめる。

それが、クリエイティブへと近づくひとつのアプローチだと感じました。


最後に、著者のアートディレクションの1作品を紹介して終わりにします。

NTT Docomo: Xylophone 森の木琴


関連/次に読みたい本


■影響力の武器

広告についての理解は、人間心理の理解まで及ぶ。著者はより深い人間理解として、詐欺やペテン、社会心理学、行動心理学等について読み、下記の書籍を紹介されていました。

本書の著者は、街頭や個別の訪問販売、怪しげな宗教の寄付などで苦い思いを味わった経験から、セールスマンや広告主の世界に入り込み、人がどのような心理的メカニズムで動かされるのか解明した。
社会で騙されたり丸め込まれたりしないために、私たちはどう身を守れば良いのか? ずるい相手が仕掛けてくる“弱味を突く戦略"の神髄をユーモラスに描いた、世界でロングセラーを続ける社会心理学の名著。
※紹介文より引用


■感じる脳

好きという個人的な感情は、大脳辺縁系という本能的な部分から端を成すので、言語化が実はできない、他者に説明する際は、言語化論理化を無理くりしている部分もあるが、実際は直感で良いと思ったものこそ大切にすべきという著者の主張の根拠になった脳科学の本。

米国の著名な脳科学者である著者が、多くの脳障害・損傷患者の研究から導き出したのが、身体反応(=情動)を脳が受け取り感情を生みだすという考えです。これとほぼ同じ考えを持っていたのが、哲学者・スピノザでした。本書は最新の脳研究とスピノザの哲学的思考がどのようにリンクし、同一の考え方に至ったのかを説いた一冊です。
※紹介文より引用


■私を束ねないで

著者が担当されたリカちゃん人形のキャンペーン。現代の女性像をリカちゃんを通して描きなおす背景にあった新川 和江の作品。

女に生まれ、恋をし、妻となり母となる、その折おりに、女である自分をふくめ、生きとし生けるものを讃えつづけ"女の一生"を綴った詩人・新川和江さん、究極のアンソロジーです。
※紹介文より引用


以上です。






サポートは今後のより良い情報発信に活用させていただきます。