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フーナーテストは実は世界では不妊症のスクリーニング検査として推奨されていないという話

フーナーテストと日本では呼ばれますが、英語だとHuehner testと書き、ヒューナーテストとも呼ばれます。

このフーナーテストは不妊患者の多くが受ける検査であり、私の妻も受けました。妻といいますが私たちですね。

今回はこれからフーナーテストを受けようとしているご夫婦や、フーナーテストの結果から生じる不安を解消していきたいと思います。

フーナーテストとは?

そもそもフーナーテストとはなんなのか?

フーナーテストは性交後試験とも呼ばれ、夫婦生活の後、つまりセックスの後に、実際に頚管粘液の中に精子が進入できているかを判定する検査です。

射精された精子が卵子にたどり着かないと妊娠はしませんので、頚管粘液の中に精子が進入できているか確かめるわけです。

このフーナーテストの結果次第で、タイミング法で妊娠が可能なのか、人工授精が有効なのか、体外受精にしないといけないのかなどが判断されます。

フーナーテストの重要度はどれくらいなのか?

フーナーテストは日本では昔から行われていた試験ですので、日本人、特に女性の人にとっては非常に信頼度が高い検査になります。

しかし、実は医師によってはフーナーテストなんてしなくてもいいという医師もいらっしゃいます。

そう、医師によってフーナーテストの重要度が違うのです。

それは何故かというと、EUやアメリカの生殖学会ではフーナーテストは不妊症のスクリーニング検査としては推奨されていないからです。

スクリーニング検査とはまだ症状が出ていない人に対して病気の可能性があるか調べるために行う検査のことです。

フーナーテストが不妊症のスクリーニング検査として有用であるとされるエビデンス(証拠)はありません。

ならやる意味ないじゃん、って思うかもしれませんが、フーナーテストで様々なことがわかるのです。

その結果から、どの方法が妊娠に近く確率が高いのか、不妊の原因は何なのかを医師が総合的に判断します。

不妊検査というものは1度やっただけでは何の意味もありません。

その検査は何のために行うのでしょうか?

妊娠し、無事に元気な赤ちゃんを産む為ですよね?1つ1つの検査の意味を理解して、今後の不妊治療の方針に反映していかないといけません。

比較的女性はしっかりと意味を理解し、次につなげようとしますが、男性は逆な傾向があります。

「俺には関係ない」そんな素振りを見せていませんか?

不妊治療は一人でするものではありません。夫婦二人で行う作業です。

フーナーテストの費用はどれくらいか?

フーナーテストの費用は医療機関にもよりますが、1000円~3000円程度になります。

検査に伴う痛みという痛みはほとんどありませんので、内診と同じような感覚で受けることができます。

ほんの数分で終わります。とても簡単です。

フーナーテストのやり方・流れ

検査の日程に合わせて性交を行います。当然膣内射精です。

性交後、12時間以内に検査をするのが普通ですが、医療機関によっては検査の3~8時間と指定される場合もあります。

性交後、1日以上経ってしまうと、精子が死滅してしまったり、膣外へ流れてしまうのでテストを行う意味がなくなります。

検査にて、子宮頸管の内側の粘液を針のない注射器を使って採取し、400倍の顕微鏡で観察します。

規定の判定基準に沿って診断がおこなわれますが、フーナーテストは1回での判断が難しいため、複数回おこない総合的に判断されます。

何故1回では判断が難しいのかというと、精液所見(状態)はその日によって全く違う結果がでるからです。

体調や疲れ具合によって精子の状態に影響がでます。

その差は5倍とも10倍とも言われますので、毎日一定の精子状態を維持できる男性はまずいないと考えて結構です。

結果が不良の場合は、詳しい原因を特定するために血液検査や精液検査などへと進んでいきます。

ちなみに検査結果は当日にはわかると思います。1時間もかかりません。

フーナーテストに向けた禁欲期間はどれくらい?

フーナーテストやタイミング法、人工授精などを行う前、男性はより精子の数を増やそうと、あるいは精液をたくさん出そうとして禁欲する傾向にあります。

溜めた方がたくさん元気な精子がでるイメージを持っていると思いますが間違っています。

私も実は同じ考え方をしていたので、1週間以上溜めて臨んだ経験があります。しかし、それは逆効果になるのです。

ベストな禁欲期間に関しては以前noteにまとめましたが、1~2日です。長くても3日と考えてください。ただし病院指定で3~5日と言われたらその通りまずは実施しましょう。

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