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出産に立ち会った記録

2024年 4月17日 深夜3時23分

妻が第三子となる女の子を出産した。

我が家では初となる女児の誕生である。

仕事の調整が出来たので1人目、2人目に続き

3人目も出産の瞬間に立ち会えたのは幸運だった。

結果として出産予定日の前日に赤ちゃんが無事に産まれてくれたわけだけど

予定日の1週間前はとにかく不安で仕方がなかった。

ありがたいことに仕事は連日忙しいし、子どもは小学校、保育園に通っておりどのタイミングで陣痛がくるのか全く予想ができない。

果たして
妻を病院に送り届けることは出来るのか

保育園の送り迎えは出来るのか

小学生の息子が友達を家に連れ込んでいないか

など不安を感じずにはいられなかった

もちろん妻の不安に比べたら僕の悩みなんて耳クソみたいなもんであることは承知しているけど

1人目、2人目の難産をずっと側で見てきたので大変さも理解しているつもりだ。

1人目の出産はお互いに初めての経験で事前に調べた情報でテニスボールと野球ボール(軟球)を持ち込んで陣痛中はとにかく妻の腰やおしりにボールをねじ込んだ。

が、結果出産までに20時間以上の時間を要し全身筋肉痛と野球ボールを硬球にするべきだったことを悔やんだ。

2人目の出産の立ち会いは1人目の経験から物理的なサポートはほとんど意味がないと理解し妻に寄り添うことに注力した。

が、結果出産までに30時間以上の時間を要し疲弊しきった妻を横目にいつしか病院に対する怒りが込み上げてきた。

早朝から深夜まで部屋にいる間はずっと放置され続けられて僕は今後の段取りについて意見を求めて促進剤、バルーンなど検討してもらえないか?と1人目の出産で得た知識をフルに使って病院のスタッフを問い詰めた(反省)

漫画『ヤミ金ウシジマくん』より引用


ただ、何もされないまま部屋で苦しむ妻を数十時間も見てられなかった。
お待たせしすぎたのかもしれません。

当時2歳の長男も、普段寝てる時間よりも遥かに長い時間起きていて妻の異変を感じ取っていたようだった。

出産に立ち会える喜びと同じくらい過酷さも奥さんと共有した。

と言いながら100%ただの傍観者でしかないので妻の苦労に比べたら僕の苦労なんて鼻くそみたいなもんであることは重々、承知している。

子供は夫婦、力を合わせて産んだと思ってますッ!!

と豪語したこともあり、世のお母さんから非難されても仕方がないと思ってます。
この場を借りて訂正をさせていただきます。

お母さんの頑張りがあってこそです。

出産の時ほど、自分(男)は無力な存在でした。

漫画『幽☆遊☆白書』より引用


話が脱線し過ぎてしまったけど、今回の出産までの経緯を書き記そう。

出産の前日、妻は朝から異変を感じたようだ。

こんな日に限って、ぼくは朝から長男の学校の登校指導の当番にあたり登校班の誰にも話しかけられることなく(息子にも)登校の道中を影のように追いかけて静かに校門まで見送り家までUターンした。

次は次男の保育園だ。
お父さんが保育園まで送るってことは…?
と保育園の先生たちの反応を少し期待したけど、朝はみんな忙しいのである。
誰もかまってくれない。

静かに登園の手続きを済ませて家までUターンした。

さて、次は自分の仕事の準備だ。

ありがたいことに朝からずっと忙しいスケジュールだ。

もしも陣痛がひどくなればいつでも迎えに行ける段取りを視野にいれながら妻を残し家を出る。

仕事中も合間、合間で妻と連絡を取り合って状況確認。

幸いにも陣痛はまだ初期段階で、仕事の調整もさせていただき子供のお迎えをしてから家族みんなで妻を病院まで送りだすことができた。

きっと子どもたちも妻が入院し、たった数日間だけど家に空けることを不安に思っているに違いない。

7歳、5歳の息子たちにとってママとパパの存在価値は木星と地球くらい大きな差がある
(自社調べ)

木星は予想以上にデカかった


奥さんは子どもとのしばしのお別れを惜しんで、病院に入り手続きを済ませた。

まだすぐに出産というわけではないため僕と子どもたちは帰宅をすることになったけど

出産の立ち会いが出来るのは旦那さんだけなのでその間、子どもたちをどうしようか悩んだ。

実家に預けても妻と僕が不在ではきっと不安だろうからなるべく一緒にいれるだけいようと自宅で過ごすことにした。

妻からの招集要請は病院の判断で決まることになる。

それまでに子どもたちのケアや明日の学校や仕事の準備を済ませそのときを待つ。

夜の11時を過ぎようとした頃に、妻からそろそろ来てもいいみたい。
との連絡が入った。

だけど、子どもたちはまだ就寝できずにいる。
ママの現状とパパしか病院に行けない理由を伝え、せめて子どもが眠りにつくまで。

と一緒に布団のなかにいたら自分が先に寝そうになってしまう(危ない危ない)

子どもが眠ったのを確認して、万が一起きてしまったときのことを考えて置き手紙を残し病院へ出発。

家の外は雷と大雨でとても萎えたけど
妻からの連絡がついに途絶えたので焦る気持ちを抑えながら病院まで急いだ。

こんなときにX投稿


病院に到着するころには24時を過ぎており、すでに分娩されるであろう部屋に移動していた。

ここも変わらねぇなぁ!

と8年ぶりの出産現場を懐かしむ余裕は僕にはなかった。

すでにすごくつらそうなウチの奥さんを発見!

病院にくる道中にコンビニで仕入れたアイテムを紹介するも陣痛真っ只中の奥さんが聞く余裕は当然ない。

ウィダーやおにぎり、飲み物の紹介。
チョコもあるで!といった小さなサプライズは無用だった。

長い長い出産までの道のりの中で、ラスボスとも言える陣痛との戦いがとっくに始まってて

自分に出来るサポートをしようと腹を括った。

陣痛の痛みがどんなものか男の僕には全く分からない。
だけど波がくるのは分かっている。

過去の出産立ち会いの経験もあり、計測器の波長を自分なりに分析してたので

こんなやつ


ハイ、痛みきまーす!

息を吐いてー!

あ、声は出さないよ!

声が出ると力が逃げるから!

痛みを少しでも逃がせるように!


と文字にしてもめちゃくちゃウザイ
アドバイスを送るぼく。

後日、奥さんから助産師さんがユニークな旦那さんですね。
と言われたことを聞かされて少し恥ずかしくなった。

男には想像も出来ない激痛を過去にずっとそばで見てきたから、少しでも早くお産を終わらせてあげたいという想いからベテラン助産師さんのような助言を繰り返すまでに至ったのだ。

僕が病院に到着をしてから3時間。
助産師さん同士の会話でも、もう少しかかりそう。

という会話が何ターンか続き、また20時間を超えるコースか…。

と、朝になれば自宅にいる子供を学校や保育園に送り出さなければいけないし

自分も仕事があるので最悪、出産のタイミングはそばにいれないかもという可能性もあると覚悟した。

毎度のことながら奥さんはすでにグロッキー状態。

もうムリ!

痛いのいやだぁ!


と、でかい波が来るたびに恐怖を感じ、戦意を喪失しかけている奥さんに対して

すかさず

痛みが来るってことは赤ちゃんも出たがってる証拠!

10の痛みも呼吸で8、9くらいには抑えられるから!

3800(長男)3700(次男)グラムを産んだんだから大丈夫!

道は出来ている!!


と文字にしてもめちゃくちゃウザイけど、少しでも奥さんを勇気づけたかった。

奥さんの肩をさするのにも力が入り、

その揺れ嫌かも。

と奥さんに拒否られたのを今でも鮮明に覚えている。

進まない状況に、いったん院長を呼びます。
と助産師さんからのヘルプ要請。

絶対に就寝してたであろう院長が現場に入ると事態は一変する。

もう出します!
という心強い一言で、旦那さんである僕はいったん分娩室から出された。

いよいよ出るの?

と廊下でドキドキしてたら、分娩室から妻の叫び声が響く。
(なんかめちゃくちゃやられてる)

奥さんの心境はきっとこんな感じだったはず


それから少しして入室が許可されたら、分娩室は少し模様替えをしていて奥さんはKO寸前だった。

これまでの陣痛の痛みがかすむほどかなり痛いことをされたようだった(ナニをされたのかは謎)

いよいよクライマックスを迎えようとしている。

妻の背後から分娩を眺める光景。
その延長には院長先生、助産師2名が万全のフォーメーションを組んでいて

もう頭が出てる!

最後頑張るよ!!


と僕はそっち側から見えていないのでそのようなアドバイスは出来ないが、院長先生はフィニッシュを決めるが如く、処置を施した。(後から聞いた話だと赤ちゃんの頭を吸引してたらしい)

そして、ついに我が家で初めての女の子が産声をあげたのである。

産まれた瞬間の子供を間近で見ることができて僕は幸せだ。

奥さんには

「痛みに耐えて、よく頑張った。感動した!
と最大の賛辞を送りたい。


めちゃくちゃ元気な産声も聞けてひと安心。

声が女の子だぁ!

と実感してるのか思い込んでるだけなのか分からなかったけど

娘が産まれてきてくれたことへの喜びと、

初めて抱っこした重みから改めて一家の大黒柱としての責任も強く感じました。

妻と子供たちのためにも病気やケガに気をつけて仕事をこれまで以上に頑張ろうと思える出来事でした。

時間が経過しても、奥さんの頑張りや苦労した思い出や出産の感動は忘れないけど

当時の心境の変化など細かい描写をnoteに書き残すことで、いつか見返したときにこんなことあったなぁ!

と思える日がくることを楽しみにしてます。

拙文最後までお読みいただきありがとうございます。

2人ともお疲れさまでした

最後まで読んでいただきありがとうございます。 サポートして貰えたら励みになります!