選択的夫婦別姓
選択的夫婦別姓についての議論は停滞しているというか、停滞させられている。世論調査からしても、現状進捗は民意を反映しているとは思えない。選択肢が増えるだけのことであるが、根強い反対論がある。そのことを踏まえて、私たちは自分の氏名についてどう考えるかを問いたい。
気に入る、気に入らないの問題は別に置いて、自分の氏名は生涯にわたって自分と不可分というのが基本ではないのか。それが、一度だけ、姓を変える機会があり、それが結婚である。世界的には少数派の制度である。自分の氏名を変えることに違和感を感じる人は少なくない。特に女性に多いのは当然である。それらの人にとって、選択的夫婦別姓がベストな選択肢なのか。
私は、もう一つの選択肢を提案する。まず、自分の氏名は生涯に亘って変わらないことが大前提。結婚するときは、新たに「家族名」を届け出ることにする。それだけである。夫婦それぞれの氏名は変わらない。家族名はどちらかの姓を選択し、子供の姓は家族名とする。家族間の一体感も醸成でき、子供の姓を巡るトラブルも回避できる。社会保険や健康保険、銀行口座の名義などの変更は一切生じない。何よりも自分の氏名に対する尊厳を守ることができる。表札をどうするか?些末な問題だ。