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お正月

 前回お盆の日程について考えを述べたので、今回は正月の日程についても記してみたい。日本がグレゴリオ暦に移行したのは1873年、今からちょうど150年前である。暦は権力の象徴である。それまでは、何度も改暦を重ねているが、基本的には太陰暦をベースとした暦が採用されている。さて、現在新年はほぼ世界中でグレゴリオ暦の1月1日である。この1月1日がどのようにして決まったのかについてはほとんどの人が知らない。結局よく分からない、というのが実態。
 太陽暦を採用するのであれば、冬至の日を1月1日にすべきであろう。キリスト教的には12月25日を1月1日にすれば、一応根拠とはなる。ということで、現在の1月1日は、単なる区切りとしての新年以上の意味はない。
 ところが、日本はこの新年を正月にしてしまったのでややこしくなった。名前と実態が合っていない。元々は太陰暦をベースにして1年の最初の新月の日を正月としていた。つまり、月がベースになっていたのである。新暦の1月1日は正月ではなく、「正日」とすれば良かった。
 ほとんどのアジア各国は、この本来の正月を祝っている。日本はこの風習を「旧正月」と称して、自分たちが祝っている正月が正しいような感覚を抱いている。しかしながらよ~く考えてみると、日本の正月には何らの正当性が無くなってしまっている。多くの国民は長い休暇が与えられているので、何となくおめでたい気分にさせられている。

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