見出し画像

006 日本をやり直す/少子化

 1972年に発表された「成長の限界」(ローマクラブ)には、世界の人口予測が示されている。当時の世界人口は36億人で、40年後の2012年には70億人を突破している。2023年には80億人に達している。この状況はローマクラブの予測の正しさを示している。成長の限界では大気中の炭酸ガス濃度も予測して警告を発している。この予測もほぼ当たっている。問題は、予測は「何も対策しなければ」という前提であり、予測が正しかったということは「何もしなかった」ということを示していることになる。
 日本の少子化は、1989年の「1.57ショック」から一気に問題となった。様々な予測が示されたが、それから30年超、状況は予測以上に悪化している。何も対策してこなかった結果である。異次元の少子化対策などという小手先の政策で改善するとは思われない。そもそも少子化は善なのか悪なのか、すらもよく判らない。議論すべきことは山ほどあるが、できない。やっても無駄、大したことはできない、家族の枠組みは維持したい、等々できない理由は山ほどある。したがって、今後も最も悲観的な予測に沿って進むものと思われる。
 少子化問題は、今の政治家に任せられるような安易な問題ではない。日本のトップクラスの頭脳を集めて対応すべきテーマである。守旧派、忖度派が牛耳る国会、政府に期待できることは何もない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?