派遣歴15年超のベテランが教える「新しい派遣先でまず実践すべき」たった2つのこと
「派遣」という働き方を選んだ人にとっての最初のハードルは、新しい派遣先になじむことではないでしょうか。
新卒で入社するときのような「同期」もおらず、「自分だけが新人」という状況。しかし、派遣社員は基本的に即戦力として採用されていますので、やはりそこは「新入社員」とは違った意識が必要です。
ここでお勧めしたいのが「電話に出ること」と「すぐ引継書を作成し始めること」。
どちらも個人の性格や周りの状況を問わず、誰でもすぐ実践できます。
■鳴っている電話を放置しない
・電話は「慣れれば怖くない」
電話が鳴っている、誰も出ない、どうしよう、自分が出た方がいいのだろうか?
おそらく、新しい職場に入ったばかりの頃は、誰もがそう思うでしょう。社内の人に取り次ぐ場合でも、それは誰なのか、どこの席にいるのか、相手にどう伝えたら良いのか、いろいろわからなくて、つい躊躇してしまいますよね。
しかし、それでもあえて「電話に出る」、この勇気を持ってみてください。
何度か電話に出ているうちに、必ず慣れます。そして電話の取り次ぎをしていれば、社内の人の名前や席なども覚えられます。もし厄介な内容であれば、その時点で誰か正社員の人に代わってもらえば良いのです。
最初からそれを恐れて「電話に出ない」のは、その職場にも自分自身にも、メリットは全くありません。
・契約内容より状況判断を重視
これまで一緒に仕事をしてきた同じ「派遣社員」という立場の人で、「契約内容に電話応対(電話対応)が含まれていないから自分は電話には出ない」、そういう人が何人かいました。
確かに、契約書に書かれていないことを強要することはできませんし、それを「しなかった」という理由で契約を打ち切られることもないでしょう。
しかし、「電話には出ないでください」と言われていない限り、そこは臨機応変に対応をしていくことが、自分も周りも、仕事をしやすい環境になるはずです。
■引継書(業務マニュアル)は、すぐ作成を始める
・初心者の気持ちがわかるのは「初心者」だけ
新しいところに入ってすぐの頃は、覚えることがたくさんあります。ノートや手帳などにメモをたくさん書き込んでいく人も多いでしょう。それでもあえてそういう時期に、自分なりの業務マニュアルを作り始めることをお勧めしたいのです。
「覚えることが多くて忙しいのに、そんな時間はない!」と思うかもしれません。確かにそうですよね。そんな時間があるなら、少しでも多くのことを覚えたいし、業務も進めたいでしょう。
しかし、「ある程度落ち着いてから」とか「もっといろいろ覚えてから」では少し遅いのです。なぜなら、落ち着いたりいろいろ覚えたりした後では、最初に自分がわからなかったことを忘れてしまうからです。
そこに入ったばかりの時期、自分がわからなくて困ったことは何でしたか?専門用語ですか?問い合わせ先ですか?それとも備品の保管場所ですか?
あなたが最初にわからなかったことは、次に来る人も必ず「最初はわからなくて困ること」です。ところがこういったことは、ある程度業務に慣れてしまうと「当たり前」になり、「最初はわからずに困っていたこと」を忘れてしまう。
だからこそ「『当たり前』になる前」に、引継書に書き留めておくのが最適なのです。
体裁を整えるのは、それこそ「落ち着いてから」で構いません。まずは箇条書きでも良いので、とにかく「業務に慣れないうち」から始めましょう。もし内容が古くなってしまった場合は、その都度アップデートしていけば良いのです。
・後任への引き継ぎ時期がいつ来ても良いように
「派遣」という立場で働いていると、後任への引き継ぎはそう遠くない時期にやってきます。それは3年後かもしれませんし、3か月後かもしれません。あるとき急に事態が変わり、想定していたよりも早くその職場を去らなければならなくなる可能性もあります。
つまり、引継書はいつ必要になるかわからないのです。
そんなときでも、自分の業務マニュアルがすでにある程度の形となっていれば、最新版にアップデートするだけで良く、そのまま引き継ぎにも使える。これは自分自身の助けにもなるのです。
■まとめ
「電話対応」も「引継書の作成」も、技術的に難しいことは何もありません。ただひとつ難しいことがあるとすれば、それは「意識の持ち方」ではないかと思います。
「なぜ自分が電話に出なければならないのか」
「なぜこんな早くから引き継ぎのことを考えねばならないのか」
そう思ってしまうのは、電話に出ることも、引継書を作ることも、どちらも他の人のためだと思っているからではないでしょうか?
しかし同時に「自分自身が仕事をやりやすくするため」でもあるのです。
ぜひ意識を「他人のため」から「自分のため」に変えて、実践してみてください。
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