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「今さら知りたい男女7人」第22回 萬年橋(夏5、8話)

「今さら知りたい男女7人」 今回は夏物語5話「あなたが好き」より

銀行のATMコーナーでたまたま出くわした良介と桃子。良介は月曜からの北海道ツアー添乗のためまとまったお金が必要ですが、経理からもらいそこねたようで自分の口座から下ろそうとします。しかし、ちょうど目の前に並んでいた桃子といつものやりとりをしているうちに時間がきて、下ろし損ねてしまいます(当時のATM土曜は14時まで。さらに日曜はお休みの模様)。その直後のシーン。

22-1 橋を渡る良介と桃子
22-2 桃子「(お金)どうすんのよ?」
   良介「それを今考えとんのや」

ATMからこここまでの会話で、この日が土曜日であること、給料日前ということで25日前ということがわかります。
夏5話の放映日は1986年8月22日。そうなると7月25日直前の土曜日という想定できます。1986年7月25日は金曜日なので、この日はその前の週の土曜日は7月19日では? という妄想が成り立ちそうですね。

22-3 わりといつも現金を持っているという千明に聞いてあげると公衆電話に走り出す桃子
22-4 この電話で千明と話がつき、良介は借りに行くことになります

さて、こちらのシーン 22-3に思い切り「万年橋」と書いてありはっきりしてます。江東区を流れる小名木川にかかる萬年橋です。

22-1 向こう側に見える橋が清州橋、清州橋の向こう茶色のマンションが良介が住んでいるマンション、画面左端のマンションが桃子が住んでいるグリーンコーポ清澄となります。

こちらのGoogleMapだと、2人は画面上の方から下に向かって歩いているということになります。

この前のシーンが銀行のATMなので、普通に考えると都営新宿線森下駅付近にATMがあり、2人はぶらぶら萬年橋まで歩いてきた・・・ という流れが想定されます。もちろん、ドラマ、シナリオ本、小説含めて場所の明示はありませんが、桃子はもう自分のマンションが目の前、良介もここから清州橋を渡るだけなので自然です。

現在の萬年橋がこちら

22-5 22-1と同じ画角のつもり(撮影 2023年12月 以下同)
22-6 22-2と同じような撮影位置
22-7 22-3と同じような画角のつもり

22-7の画像では見ずらいですが、橋の表記が萬年橋と万の字が萬とあらたまってますね

萬年橋は夏物語8話「こころの傷」にも出てきます。

前回7話のラストで良介の告白があり、良介と桃子がつきあうことになりますが、8話では桃子が千明を気遣うシーンが続きます。
この8話の萬年橋のシーンは桃子が千明のことを思いながら物憂げに歩く姿が描かれます。

22-7 一人萬年橋を行く桃子

ほぼ22-1と同じカットですね

22-8 このあと橋にひっかかってる風船を見つめます

この5、8話の萬年橋のシーンですがシナリオ、小説版では萬年橋とはなっていません。

第5話
シナリオ ・・・ 道
小説   ・・・ 銀行を出てすぐ

第8話
シナリオ ・・・ 川岸
小説   ・・・ 描写なし

シナリオで場所を明示する必要がないところはこのようにするのはわかりますが、ある種ノベライズとも言える小説版でドラマとは違う場所だったり、そもそも(場面を)カットしているというのはどういうわけなんでしょうか? ちょっと理由を知りたいですね。

萬年橋は良介、桃子の生活圏の中、背景の抜けもよく、ここをロケ地に選んだスタッフナイス!と個人的に思っています

おまけ
萬年橋には同じ位置ではないですが、現在(2023年12月)でも公衆電話があります。

22-9 当時からちょっとだけズレたところにある公衆電話

ドラマの中ではたびたび出てくる公衆電話ですが、最近は街中で見かけるのもめずらしくなったのでちょっとうれしいですね。

では、では この辺で。また次回

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