オンラインフィットネスと人間が本来求める価値について

効果について書きます。「痩せる」とか「筋肉痛になる」とかはオンラインでも提供する事ができると思います。ですが、フィットネススペースにお客様が期待する効果はそれ以外にも沢山あります。

僕は自分が代表をしている「AIRGYM株式会社」と「一般社団法人ウェルネス&テクノロジー」でこれらのサービスを長い事研究しています。
医学的に人間の求めるものを整理し、フィットネスの価値を再確認する事でリアルでもオンラインでもサービスのクオリティを上げる事ができると思います。ご興味ある方は是非参考にして見てください。

<音とホルモン>

人間は単純なリズムで心身の安静を整える事ができます。貧乏ゆすりや咀嚼に至るまで、無意識下の中で心拍数をコントロールしその時に必要なホルモンを分泌しやすくしています。

ジムに行くと運動器具やエアロビクスの音などが聞こえてきて、心拍数が上がります。なんだか新しい事が始まりそうな空間にワクワクしてやる気になります。自己肯定感も高まります。

これらはアドレナリンやドーパミンなどのホルモンが分泌しやすくなった事から起こっていると考えられます。

このような効果が、「痩せる」や「筋肉痛」以外のお客様が求める効果です。

お客様はこれらの効果を「楽しい」とか「やる気になる」という風に感じていると思いますが、我々トレーナーはもう一歩踏み込んで、「何故、お客様は楽しいのか?やる気になるのか?」を分析し、パーソナルスタジオのスペースやオンライン指導でそれらをどうすればお客様に感じて頂けるのかを考える事が重要だと思います。

< 本と動画の違い >

トレーニングに関する本は星の数程ありますが、本でリズムを作る事はとても難しいです。よほど引き込まれていた場合などは別ですが、本を見ながら一人でトレーニングをするのは難儀です。

ならば何故あんなに売れているのか?

本を購入した人のほとんどは、本の中の情報も勿論欲しいのですが、それ以上に「これで新しい自分になるぞ!」「これで安心だ!」という感情が欲しいわけです。

なので、買っても内容に触れる人は少なく、また違う本を探す人がほとんどです。

これは悪い事では決してなく、「どうせやらないけど最近やる気なくなってるから景気付けに買っとくか!」くらいの戒めで買っておくことはむしろ良い事だと思います。

我々トレーナーとしては、お客様に本では味わう事ができない体験をそれぞれの提供するスペースで独自のスタイルを用意する事が必要だと思います。

< パフォーマンスについて >

コロナ禍の今、お客様やメディアがオンラインフィットネスを持ち上げているのも、このワクワクするホルモンに引っ張られている事が要因の一つだと思います。オンラインは「新しい」、オンラインは「楽しい」、オンラインは「洒落てる」と言った未体験のサービスが持つ特徴がブームを助長している段階だと僕は感じます。

トレーニングサービスのパフォーマンス価値を考えた時、オンラインがリアルのサービスを上回る事は近い将来では想像できません。

パフォーマンスで上回る日が来るとすれば、

ドラクエウォークなどの世界がまるごとVRで体験できてモンスターを倒すのに実際手足を動かし、ものすごい恐怖やワクワクを感じ凄まじい緊張感と運動量を伴い、倒すために必要なトレーニングメニューを提供され、身体を作るための栄養素を提案してくれる。

女性であれば、VR上のファッションショーに参加しなければいけないミッションを課され、ショー当日までに凄まじい緊張感の中、トレーニングメニューをこなすなど。

今後、現実世界と仮想空間の区別が混乱する程の世界になった時がその時だと思いますが、それには「反重力革命」が同時に伴う必要があります。

ドラゴンボールに出てくる、重力コントロールが可能な部屋が必要なわけです。

要するに、オンラインフィットネスが今後主流になるとしても現段階はまだまだ生まれたてのヨチヨチ歩きで、今はソレを育てるフェーズである事を忘れてはならない。

画期的なものが見つかったから飛びついて利用しようとしても半端な気持ちでは途中で育児放棄になるから気をつけなければならない。

というのが僕の考えです。

<結論>

オンラインでのサービスクオリティを考える時、テクノロジーができる事を考えると同時に、人間本来の欲求とその発動条件を研究する事、そしてその発動条件を自分の得意分野でどう表現するのかの検討、それを実際にお客様にぶつけてみて失敗と成功を積み上げる事、が今後必要なのだと思います。

その為には実際に自分でなんでもやってみたり、人のサービスを見てみたり、医学的な検証をしてみたり、一筋縄では行きません。

とは言え、お客様もトレーナーもほとんど初めての経験から作られていくサービスですから、可能性は大きいでしょうし、チャンスのタイミングとしても今は人生に1回有れば良いというくらいレアな時期です。

オンラインサービスに今後本気でチャレンジされる方の何か参考になって頂けたら幸いです。

僕もオンラインフィットネスの可能性に残りの人生全てをかけています。

もし活動にご興味ある方は、今後さらに活動をオープンにして行きますので是非チェックして頂ければと思います。

いいね、コメントなど頂けると幸いです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。

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