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1984(いちきゅうはちよん)……であってる?
『1984』は英国人作家ジョージ・オーウェルが1949年に発表した小説です。ディストピア(反理想郷)小説の金字塔として名高く、今なお世界中で読み継がれている名作です。
世界的名作ゆえ、いわゆる必読書として扱われることも多い本作。なんでも英国では「読んでないのに読んだふりをする小説」として有名なんだとか。
それもそのはず。手元にある角川文庫を開けばざっと500ページ弱、小説としてそれなりの読み応えがあります。さらにSFならではの独自設定や世界観など、難解とまではいかないまでも、気軽に読める作品でないことは確かです。
以下、ネタバレにならない程度の簡単なあらすじです。
核戦争後の近未来。世界は三国に分割され、恒常的な戦争状態にあった。
舞台となるのは、そのうちの一国オセアニア。この国ではビッグ・ブラザーと呼ばれる独裁者の支配のもと、国民は常に監視され、思想や言動が管理されていた。
主人公ウィンストンもまた、そんなオセアニア国民の一人。真理省に勤める彼は過去の捏造に従事していたが、いつしか体制に対する疑問が芽生え、禁じられている「日記」を書き始めたのだった……。
本作の魅力はまず、半世紀以上昔の作品でありながら、現代の問題を予見しているかのような秀逸な設定がいくつも見受けられることにあります。
国民を監視するためのテレビ型装置テレスクリーン。
語彙を切り詰めることで思想を統制するニュースピーク。
矛盾を受け入れる思考能力、二重思考。
相互監視社会、蔓延する差別意識、SNSによる社会の分断など、現代にも通じる問題がそこかしこに散りばめられています。
中でも恐ろしいのが、情報の改ざんについて。
主人公ウィンストンは真理省の役人として、日夜記録を「修正」し、新たな好ましい真実に沿うように捏造を繰り返しています。
昨日まで存在したはずの人間が蒸発し、矛盾した内容が平然と報道される。
誰ひとり過去を記憶していない世界。誰もが矛盾を受け入れた世界。
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これは決してフィクションの世界に限った話ではありません。
記録改ざん。拡散されるフェイクニュース。SNSで声高に叫ばれる「真実」。
刊行から70年以上経った今も、本作が度々ブームになり注目されていることにはそれなりの理由があると思います。
自由というのは、二足す二は四だといえる自由だ。それが認められるなら、他の自由はすべておのずと付いてくる。
板谷・齋藤卒業研究公演『1984』
ぜひ劇場でご観劇ください。
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