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良い目標も良い戦略もすべて良い課題設定から生まれるのではという話

最近こちらの本を読みました。

私は立場上、自分の所属するチームの目標や個人目標を設定したり、チームメンバーの目標設定をサポートしたり、何かしら目標設定をする機会が多いのですが、個人的に目標を実現するための実行計画 (戦略立案)まわりの精度が低いと感じていたためです。

そこで本を読んだ感想として結論、私に足りていなかったのは「良い課題設定」でした。今回は読書を通じて感じた「要するに良い目標も良い戦略も全てイシューから始めろってことっすね?」という話をしたいと思います。

目標と戦略と課題について

まず前提として、各用語について私は以下のような理解をしています。

  • 目標: 「何をいつまでにどういう状態にするのか」といった理想状態を定義したもの

  • 課題: 目標と現実のギャップを埋めるためにやるべきこと

  • 戦略: 課題を解決するための道筋、行動計画を示したもの

ちなみに目的と目標をよくごちゃ混ぜにしがちですが、以下のツイートのような理解をしておくとブレないと思いますw

「良い戦略、悪い戦略」の内容を雑に解釈する

この本を雑に解釈すると、まず悪い戦略とは「 実行可能ではなく、そもそもの課題設定が間違っているもの」といった感じでしょうか。以下のような特徴を兼ね備えているのが悪い戦略だという理解をしています。

  • 何の具体の行動にもつながらない

  • 戦略とは本来、重要な課題をどうやって乗り越えていくかという道筋を示すものなのに、重要な課題をスルーしている

一方、良い戦略とは「重要な課題を乗り越えるための基本方針と一貫性のある実行計画がデザインされているもの」であると理解しました。要するに悪い戦略の逆ですね。状況をしっかりと診断して、取り組むべき重要な課題を見極め、そこからブレないように方針と具体的な行動計画を立てていくことが重要であるということです。

結局、「良い戦略を立てるためにもまずは良い課題を設定して、そこからブレずに一貫性のある行動をしていきましょうや」ということが著者が一番言いたかったことなのではないかと感じました。

そして「これ、イシューからはじめよでも似たようなこと言ってなかったっけ?」と思ったので、ついでにYoutubeの要約動画を観たり、本を読み返したりしてそちらも復習しました。

「イシューからはじめよ」の内容を雑に解釈する

「イシューからはじめよ」では「仕事の成果 = イシュー度 (どれだけ良い課題を設定できたか) x 答えのクオリティ」で定義しています。そして課題の設定を失敗したまま、答えのクオリティを上げるための努力をしても無駄な努力になるといったことが指摘されていました。

これも要するに「適切な課題を設定できていれば、やるべきこともクリアになり、最小の労力で答えのクオリティを上げる作業に注力できるよね」といったことを述べています。そして適切な課題を設定するためには自分なりの仮説を持って、その仮説を検証する目的からブレずに行動することが重要だと。

結局どちらの本も「良い課題設定をして、設定した課題からブレずに選択と集中で効率よく進めることが重要である」といったことを述べていました。おかげで課題設定がめちゃめちゃ大事だなという気持ちになりました。

自分が戦略に苦手意識を持っていた正体

以上を踏まえて、改めて自分が戦略に苦手意識を持っていた原因について考察してみます。

私は目標設定をする際に理想状態から考えることを大切にしています。ここでは半年間の目標を立てていると仮定してお話します (あまりに長い時間軸で目標を立てると、結局サブ目標みたいなものが必要になるので)。

個人であれば「半年後、どういう状態になれば自分は成長したといえるか」といった問いをベースに自分の役割を言語化してみます。プロダクトチームの目標であれば事業計画やプロダクトのミッションと整合する形で「半年後はプロダクトを通じてユーザにどういった価値を届けられる状態になっているべきか」といった問いを立てます。そして理想と現状のギャップを埋めるためにやるべきことを洗い出すことで目標設定をしてきました。

ここまで書いていて気づいたのですが、「理想と現状のギャップを埋めるためにやるべきことを洗い出す」この作業こそが課題設定ですよね。振り返ると自分なりの仮説をベースに思考して取り組むべき重要な課題を設定できた時、良い目標が立てられたと感じられることが多かったです。

そしてなぜ自分が戦略に苦手意識を持っているかも理解できました。目標設定の際は理想と現状のギャップからしっかりと課題を抽出する作業をしているのに対し、戦略設定の際はその作業を怠っていたんですね。開発で言うと「何を作るのか、それはなぜか?」といった問いにはしっかり答えられているのに対して、「具体的にどうやって実現するのか?実現する上で想定される開発の課題は何か?」といった問いには十分答えられない状態だったんですね。

理想と現実のギャップから課題を抽出し、良い目標を決められたとしても、実際にその課題を乗り越えるために乗り越えるべき課題もたくさんあります。そこを無視して、「たぶんいけます、何とかします」みたいな戦略を立てていたことが諸悪の根源でした。THE 悪い戦略ですね。ここも自分なりの仮説ベースで良いのでちゃんと課題定義をして、それに対する実行計画を言語化し、定期的に振り返りをしていくべきでした。

まとめ

良い目標は理想と現実のギャップに着目し、解くべき重要な課題を抽出することで生まれます。そして良い戦略は目標に到達するまでに想定される重要な課題を抽出することで生まれます。

今後も「良い目標も良い戦略を良い課題から生まれるということ」をしっかり意識して仕事に励みたいですね。

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