幽霊騒ぎ#5
第2警戒所のキム三等兵は俺の話に「一体どういうこと?」と反問しながら強く否定した。
俺はそんなやつの態度に腹が立って本気で怒ったが、やつは悔しくて泣きそうな顔になって誰も俺の(第3)警戒所(哨所)の方に行ってなかったことを誓う宣言まですることになった。
自分に聞きたかった。
俺が会ったのは一体誰だ…
気分が悪くなった俺はこの以上やつと関わりたくなかったので自分の(第3)警戒所に戻ることにした。
夜が明けようとするかとこかから鶏の鳴き声が(空軍)基地の寂寞を破った。もう少しで勤務交代時間の意味でもあった。
まだ暗い霧の中で自分の第3警戒所が視野に見え始めた時だった。
急に自分のTRS(軍用無線通信機器)から慌てた震える声が響いた。
「ちー(雑音)、第…第1警戒所(哨所)一等兵パク・イルです!」
今夜の勤務組みで一番下級者であった。
「うん、何だ?」押し寄せる眠きを抑えてあくびしながら俺は返事した。
「あ…あ、あのそれが…」
「おい、パク!しっかりしろ!何だ?」
「ぼ、僕の警戒所の向こう、ひ…飛行大隊建物屋根に…ま、真っ白の何かがいますが、そ、それが…何となく…ゆ、幽霊のようです。」
「は?おい、パク!お前寝ただろう!ふざけんなよ!もう交代時間だからよだれ拭いて準備しろ!」
「ああ…それじゃなくてあの、あの…ああああああ!!!!!…ちー(雑音)」断末魔の悲鳴と共にTRSは急に切れて気持ち悪い寂寞感が…
俺は今までの人生でそんなに恐ろしい悲鳴は初めて聞いたが、パク一等兵のその声からの恐怖がTRSを開けて自分の体の細胞一つ一つまで伝わって来たのだ。
俺は恐ろしすぎて体がそのまま固まって動けなくなっちゃってブルブル震えた。
そんな状況でどうやって(自分所属の)軍犬小隊に報告したかはっきり覚えてはないけどそれは、おそらく生きたいという本能ではなかったのかと今は思う。
俺の報告を受けた軍犬小隊は急いで医務隊(基地内軍病院)に連絡し救急車を呼んだ。
周りはもう明るくなったが、霧は相変わらず濃くてまるで囲まれた感じであった。
交代兵たちを乗せた車はこの事態で予定より少し早く来た。車両にはもう第2警戒所のキム三等兵が先に乗っていて第1警戒所のパク一等兵の姿は見えなかった。パクによると俺に報告後気を失ってそのまま救急車で医務隊へ後送されたようだ。
搬送されたパクが心配だったが、一応落ち着こうとしてキムに先別れてからパクからのTRSの話まで細かく言ったらやつは変な目で俺をみて意外の話を始めた。
「あの、オー兵長、先からちょっとおかしいですね。失礼ですが、幽霊でも会ったですか?僕が今日いつオー兵長に会ったんですか?勤務開始以来今が初めてなのに…」
「???」
「はあ?お前先からこの先輩をいじめるのか?先はお前のところから普通に寄って来た「当直士官」を見てないと言って、今度は何?今日初めて会ったって?いい加減にしろよ!」
俺は本気で腹が立った。もうくたびれた。こいつ、人を馬鹿にするのもいい加減にしろ。
しかし、やつは逆切れして
「こんな状況で僕が冗談するわけがないですね。僕はあの時間に第1警戒所の方に巡察してパク一等兵にちょっとだけしゃべて戻ってからずっと自分のところにいました。リーチ(キムの軍犬)と一緒にずっと!間違えなく!マジもどかしいですよ!」
「!!!!!」
<続く>
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