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2-14.添乗員の作業 (宿泊ツアー編)

大切な人とのせっかくの旅。

大自然との出会い、地元ならではのグルメとお土産

楽しかった一日の行程を終えて

素敵な名湯で

疲れたお身体も心もじっくりと寛ぐ

キラキラとした夜空の星を見上げながら感じる

露天風呂での清涼感

穏やかで落ち着いた空間で熱燗と共に

贅沢な海の幸を味わいしながら

ゆったりとした夕食

綺麗なオーシャンビューの部屋で心まで爽やか

充実したおもてなしに感動する

旅の楽しさを感じる

幸せを感じる

......

ツアー値段は別として

宿泊ツアーに参加されるお客様皆が望む理想です。

安全確保の上

「良く食べる」

「良く寝る」

これは人間として一番基本で一番大事な要素で

ツアーでもそのまま適用されます。

残念ながら、
五つ星レベルじゃない限り、

理想と現実のギャップ(Gap)はいつも共存します。

普通に考えると

宿の施設やシェフの腕(料理)、サービスで

ほぼ左右されるのが

確かですが、

理想と現実のギャップを出来るだけ埋める、縮める様に

宿側とお客様側を仲介、架け橋の役割が

添乗員の仕事です。

2-11.添乗員の作業ー当日(バスツアー下編)で当日ツアーより

宿泊ツアーの方が意外とやりやすいと述べましたが、

それは日帰りツアーより宿泊ツアーの方が

自分の良さやツアーの魅力をアピールする時間が長いという意味なので

そのチャンスを生かせなくて手逃したら

結果は残酷です。

というわけで打合せの段階から万全を期するのは

言うまでもないです。

宿に事前連絡して必要な情報を全て調べます。

宿は事前に(混んでいる場合は当日)部屋割りをして伝えます。

決まった枠でグループ毎に決めるのは添乗員です。(新幹線や航空機、船舶も大体同じシステムです)

同じレベルの部屋でも階、眺望、大浴場やレストラン、エレベーターとの距離、喫煙/禁煙室、和室/洋室などの細かい差があります。

お客様のリクエストも様々です。

必ず希望に応じる義務はないですが、気持ち良い旅になる為、

なるべく応じるべきです。

バスの座席割もそうですが、平等が大前提です。

後、やむを得ず順位を決める場合はやはり(有料サービス申し込みでない限り)申し込み順です。

年齢やお子様連れ、足が不便などの状況も考慮します。

もし、何となく不利益を与えたお客様(それを勘弁させてくださった)には

必ず、それに対する補償的な事(お金ではなくサービス、翌日バスの座席を前にしたりなど)をします。

最後の行程が終わって宿へ向かうと添乗員は一日の最後の燃料を燃やします。

バスの中で宿への入れ込み連絡(食事準備などがかかっているので)をしながら宿へ到着するまでお客様に部屋割表の配布をはじめ

宿の施設や流れ、時間、部屋のアメニティーから冷蔵庫中身の有無まで、明日の集合時間、行程まで詳しく説明し、一日のご挨拶まで済ませます。

まだ到着してなくても、たとえ初めて訪ねる宿としても、添乗員はもう先着いてあちこち歩いているイメージです。

宿へ到着したらドライバーさんとワンチームになってトランクからお客様の大事なお荷物を降ろします。
テキパキ!

宿スタッフだけの仕事ではありません。

車内忘れ物チェックとゴミ収集はドライバーさんがやってくれます。(感謝!)

後はスタッフとロビーへ案内、部屋の鍵を配布、実際の館内説明、解散

お客様は入室→入浴→宴会(夕食)順になります。

小さい宿はあまり問題ないですが、繁忙期や大規模の宿の場合

混雑でスタッフの対応が不十分なこともあるし、

館内で道を迷う(宴会場所など)場合もあるからです。

例えば、ディナーショーで有名な熱海「ニューアカオホテル」の場合、

バスも止まる駐車場やフロントがなんと17階(海岸上、崖で建てられたので)にあってお客様の耳を疑われることもあるし、

福島県いわき市の有数のリゾートハワイアンズの場合、

とにかく館内が広すぎて添乗員さえしっかりしないと迷う

構造的なことで間違えなく1階廊下を歩いたのにぼっーとすると

知らないうちに地下を歩いている自分を発見!

なかなか部屋へ着かないとか

千葉県幕張メッセすぐ隣の「アパホテル&リゾート東京ベイ幕張」の場合(高さ180メートル、客室2,007室で僕らが考えるアパホテルではありません)ある大浴場(複数ある)へ向かうと階段と連絡通路が曖昧すぎてやはりなかなか着かないなど様々なケースがあります。

と言っても個人旅行の場合、全て自分が主催なのであまり想像できないかもですが、

数十人から台数口(2台以上バスツアー)の場合数百人が一気に行動するのでテキパキ動くべきです。

お客様が入室したらフロントで団体入室の手続き、

宴会場所の確認まで終わったらやっと自分の部屋で一服

そして、宴会時間の前に予めお客様の席やメニューの確認(アレルギー反応のお客様が意外と多いので大切です)します。

お客様が現れるとお席案内、食事開始後もしばらく様子をみます。

問題なければこれからはやっと自分の時間(乗務員は別食が多い)ですが、お客様と同食の場合もあります。

もちろん、お客様と親密になる機会にもなりますが、結局仕事の延長にもなります。

たまには二つ以上の宿で分宿のケースあります。(3か所分宿まで経験)

部屋が足りない時、又はツアー商品(宿レベル)が異なる時該当し更に複雑になります。

ばらばらで着いた後お荷物が変わってタクシーで交換に行ったこともありました。

添乗員は一人なので離れる宿への対応が出来ないので(お客様の立場でも添乗員と離れると不安感や不満を感じます)気使わなければなりません。

全てが終わったらやっと緊張感が解けて疲労感が一気に襲撃するタイミングです。

が、自分はあくまでも添乗員として来たわけなので油断は禁物。

館内どこでもお客様の目から見られます。行動にも要注意!

夜、部屋でビールを飲みすぎて廊下でふらふらしてもいけません。

それで、いよいよ一晩が過ぎます。

なんだかんだ言ってもやはり

一晩一緒に過ぎたら

何となく旅行会社のスタッフとお客の関係以上の

親しみと一体感を感じます。

もちろん、ドライバーさんとも同じです。

翌朝は予定通り集合、出発のためまた気使いますが、

うるさいほど強調してもやはり忘れ物が多いです。

充電気から入れ歯まで

朝、スタッフの掃除の前に急いで宿に連絡します。

見つけたら着払いになります。

ばたばたして鍵返却をうっかりして出発された場合もあります。

これも着払いになります。

最後で一番ハイレベルの忘れ物事件をご紹介ごすると

朝、お客様がチェックアウトされて自分のお荷物をバスのトランクに入れました。そして、乗車前お手洗いへ、(お客様ご自分の証言)

戻ってお客様は乗車後、その日夕方宿に着いたらトランクの荷物が無いのを気づきました。

ドライバーさん、ガイドさん、他のお客様にも調べたが増発!

実にミステリーでした。

ところが…

当日朝出発の時バスはうちのバス以外にもう一台が立っていました。

あいにく色もほぼ同じ。

まさかと思いましたが、

お客様がバスを間違えて別のバストランクに入れ、ドライバーさんも確認せず受け入れ、

その後お手洗いへ行って戻ったお客様は今度は正しいうちのバスにお身体だけ(?)乗車!

バスはそれぞれ出発という…

急いで朝の宿に連絡し、問題のバスの旅行会社を調べまで成功。

だが、問題は益々深刻。

名古屋の旅行会社であのツアーは最終日でもう終了。

バスも車庫へ回送(後ドライバーさんが所有者無し(うちのお客様)の荷物見つけて事務所へ預けて退勤)

さらに、さらに

うちのお客様は北海道からお越ししたんです。(@_@)

幸いにお客様はご一行様がいたので服などすべてお借り

名古屋にある荷物は北海道自宅まで宅配便

もちろん、着払い!

まるで魔法の様な前代未聞の大騒ぎで

その日自分はなかなか眠れませんでした。

世の中は

面白いです。

帰りはバスツアーと同じなので省略します。

不慣れの文章、つまらない話最後まで読ませていただいてありがとうございました。

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