幽霊騒ぎ#6(最終話)
「だったら…俺が一時間前巡察中会ったキム三等兵は一体誰だった…!」
俺は馬鹿みたいに半分気を失った様子でキム三等兵に聞いた。
「僕に聞いたらどうしましょう。存在しない僕の双子(?)でも会ったのですか。オー兵長もし夢でも…」
もうやつの話なんてどうでも良かった。
先会ったあの偽者(?)のキム三等兵の生き生きした様子が思い出て全体の細胞まで極端の恐怖が伝わってくる感じで息もできないほどであった。
(軍犬)小隊が近づいて来たところでキム三等兵のケアで俺は少し落ち着くことが出来た。
小隊の雰囲気は多少ごちゃごちゃだったが、隊員のほとんどがまだ寝ている時間で、(僕が所属した軍犬小隊は夜中警戒勤務があるので朝遅い時間まで寝る)幸いに医務隊(基地病院)に運ばれたパク一等兵も帰ってきて落ち着こうとしていたところであった。
「おい、パク!お前大丈夫かい?」
「必勝!(当時空軍の敬礼スローガン)オー兵長、も、申し訳ございません。疲れてつい見間違えたと思います。」
「うん、無事で何よりだ。そところで、何で悲鳴をあげた?お前、上級者をいじめるつもりだった?」
彼が見間違えたという話で分けなくほっとした(?)俺は重い空気を換えようとして半分冗談で聞いた。
だが、パクは奇妙な話を続けた。
「そ、それがですね…当時オー兵長にTRS(軍隊用無線通信機器)で報告中にその白い者(?)が自分の方に顔を向いて目が会ったわけだからですね…」
「はあ?ははは~」(笑)
俺は「まさか」という不安感を抑えるためわざとオーバーして気まずく笑った。
「あ、そう?女?男?どんあ顔だった?超美人だった?」
「そ、それが霧が濃くてしかも屋根の上だったから大体で見えたですが…」
「……」
「背が結構高くて軍服を着た軍人の様子でした。戦闘帽を深く被って顔はあまり…あ、そうだ!右手で「当直士官」腕章をかけていました。黄色い背景に黒文字でそれだけははっきり見えました。」
「!!!」
「僕が新兵(新人)の時研修でうわさを聞いたですが、飛行大隊で20代後半の若い一人の下士官が死んじゃったという…それが、めっちゃ優秀な人だったのに喘息が悪化してつい…」
「ああ…」
俺が昨夜会った、「草善」を連れて来た…いや、違う。「草善」が連れて来たあの「当直士官」は…その後会ったキム三等兵は一体…
とりわけ霧が濃くて「草善」を連れて経験したあの夜の騒ぎの話はここまでだ。
軍隊を出てからもうすぐ20年になる現在、俺は本当に一生懸命生きている。
あの夜、出会ったのが幽霊だったかどうかは今は大事じゃない。
ただ、彼の話のように人生を無駄する罪を犯さない様にするだけだ。
今まで俺が語ったのは君たちに余計な恐怖心を与えるためではない。
彼のメッセージ、一回だけの貴重な人生だけに無駄にする人に良い刺激を与えて一度自分の人生について考え直すきっかけになればということを望むだけだ。
「くだらない今日は昨日死んだ人が必死で望んだ明日だ。」という言葉がある。山も谷もあるのが人生だけど、とにかく生きているのが大事なのだ。
濃い霧の中に去りながら絶級するように言った彼の悔恨が長い余韻に残って俺は未だに霧が濃い夜は闇の空を見上げる。
<終>
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