見出し画像

ジプシーたちの夜曲

ウソでいいから言ってくれ
いつかまた朝日が昇ると
体の震えが止まらない 傷は癒えても
後悔と希望のかけらが混じり合って胸を締めつける
時は誰のために流れるのか、過ぎようとしている今日に問うてみても、美徳はいつの日も霧を投げてくる
置き去りにされた虚しさを いったいどこにぶつければいい
道端に叩きつけられて空を見ると初めて自由を感じた
空を飛ぶ鳥も籠の中の鳥も きっと自由の意味を知らぬ

あぁ夜曲よ
深い夜の静寂に流れよ
星の数いるジプシーたちが 都会の片隅で耳を澄ます
朝焼けの中 旅に発つ日を待ち侘びながら
何も聞こえぬふりで耳を澄ます
その日が来たら、その時は夜曲よ
もう振り返らない彼らの背中に見果てぬ夢を奏でよ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?