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コナン・グレイの新アルバム「Superache」・先行リリース曲レビュー

個人的にも大好きなZ世代アーティスト、コナン・グレイの日本デビューアルバム「Superache」が6月24日にリリースされることが決定した。

トラックリストも公開され、徐々に先行シングルもリリースされています。すでにリリースされている曲のレビューコメントをまとめてみました!

2曲目:People Watching

コナンが最も得意なストーリーテリングが特に光る「People Watching」では、幸せそうなカップルを「人間観察」することで感じる、誰とも真剣に交際したことがない孤独感や、恋愛に対する憧れをドラマチックに歌い上げる。「あの(恋をする)という感情はどんなものだろうと、空想せずにはいられないんだ。この曲の歌詞は、僕が大学時代にカフェで人間観察をしていた時に盗み聞きしたもの。彼らの生き方を研究することで、ある意味、彼らのように生きることができるんだ。」と語っている。

5曲目:Astronomy

2020年の「Heather」のTikTok上での大ヒットに続き、心をえぐり返すようなエモーショナルなバラードとして話題になった曲。表情豊かな歌声で、似た境遇の二人が様々な冒険を一緒にしながらも、「星の運命」のせいで幸せには結ばれない、そんな痛ましい境遇について歌っている。叶わない恋を経験しているたくさんのリスナーたちが、「Astronomy」の歌詞に心を動かされて涙を流すだろう。

6曲目:Yours

いくら相手を愛して自分の全てを捧げても好きな人と両想いになれず、世界の何よりもその人が欲しいのに振り向いてもらえない。「もっと欲しいけど、僕はあなたのものじゃない」、そんな恋の悲痛な苦しみをピアノの静かな旋律に乗せて歌う。「Astronomy」や「Jigsaw」と並び、バラードでありながらエモーショナルな「山場」で心の全てを投げ出すような「叫び」を取り入れ、リスナーの感情を揺さぶる、コナンならではの構造が印象的。

7曲目:Jigsaw

「Jigsawは元々、自分へのちょっとした日記として書いた」と語るコナン。周りの人を満足させ、愛されるために自分自身を歪ませなければならなかった、そんな虚しい経験を「バラバラに切り裂かれたジグソーピース」に例え、静かなギターで始まるこの曲は、「自由になりたい」という叫びを表現するように、中盤からヘビーなオルタナティブロックへと変形する。「他の誰かになりたい」「ありのままの自分を愛せない」という苦しい願望は、「Heather」とも共通するテーマだ。

今月リリースのアルバム、残りの楽曲も楽しみにしていてください!

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