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おきらく移動平均トレード 前編

1.はじめに

だれでも知ってる移動平均線を使って、トレードがもっと簡単で便利になればいいだろうなと思い立ち、過去に作成したツールを少し見直してTradingViewで公開してみましたので、このNOTEで紹介したいと思います。

例によって前編で紹介と簡単な使い方、後編は有料版でもうちょっと掘り下げた読み方を解説してみたいと思います。

またこのNOTEはTradingViewの利用者向けに書かれていますので「TradingViewってなに?」って方は、まず以下あたりのサイトでTradingViewの使い方から調べた方が良いでしょう。

TradingView(トレーディングビュー)徹底活用

2.インディケーターの紹介

今回のお話で使うのは以下のチャートに表示されているインディケーター「DNFMA」で、私ダニエルが作成したものです。もともとMetaTrader4用に開発したインディケーターを、TradingViewに合わせて単純化したもので、オープンソースとして公開しています。

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まずは簡単にこのインディケーターの特徴を紹介しましょう。

「DNFMA」は単純移動平均線を組み合わせただけのとてもシンプルなインディケーターですが、以下のような特徴を持ちます。

・トレンドとその強さを読み取る
株価等が現在どのような状態にあるか、現在上昇トレンドなのか下降トレンドなのか、そしてその強さの目安をひと目で知ることができます。

・トレンドの変化を予測できる
トレンドが近い将来変化する可能性があるかとその時期などををある程度読み取ることができます。

この2つ以外にもさまざまな特徴を持ちますが、いちばんの特徴は直感的な見やすさ、わかりやすさです。上記のチャートをぱっと見ただけでも、なんとなく株価の動きが把握できるような気がしませんか?

たとえば上記のチャートで中央あたりに描かれた青とピンク色のバーを「モメンタムリボン」と呼び、現在のモメンタムの状態を表します。青で描かれている期間は上昇トレンドで買い方優勢、ピンク色に切り替われば下降トレンドで売り方優勢です。この際、バーが長ければ長いほど強気、短くなれば弱気を表します。

また薄い緑色は「先行線」と呼びます。これは単純に移動平均線をあるルールによりオフセットさせたもので、株価等がこれからどのように変化するのかの目安になります。

黄色い線、赤い線もそれぞれ重要な役割がありますので、詳細については以降で解説しましょう。

3.DNFMAの設定

それではさっそくDNFMAを使ってみましょう。

まずTradingViewにログインしチャートを表示させ「インディケーター&ストラテジー」の虫メガネマークで「DN」と入力すると「DNFMA」が見つかります。

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これを選択すると先に掲載したインディケーターがチャート上に描かれます。

設定項目はそれほど多くありません。デフォルト設定は私の趣向で合わせてあります。中級者以上の方でしたら、みなさんの好みで調整して良いでしょう。おそらくどのような値を与えても得られる結果はそれほど大きく変わらないはずです。初心者の方でよくわからないのであれば、そのまま使っていただいた方が良いでしょう。

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「Short MA Term」
モメンタムリボンや先行線その他を描く際に使用する移動平均線を求める期間を指定します。

「Momentum Term」
モメンタムリボンを描く際のサンプリング期間を指定します。詳細は後編で解説します。

「ソース」
モメンタムリボンや先行線その他を描く際に使用する移動平均線を求める値を選択します。

「オフセット」
先行線、中心線、基準線を描く際にどの程度ずらすかのオフセット値を与えます。詳細は後編で解説します。

「Show Forecast SMA」
先行線の軌跡を確認するための目安を表示させます。通常使うことはありません。

「Show dnfma kumo」
もう少し長期の予想をする際に使用します。詳細は中編・後編で解説します。

4.DNFMAでお気楽トレード

ではDNFMAのかんたんな使い方を紹介しましょう。ここでは私の趣向で日経225を用いて解説していますが、個別の株式銘柄でも通用するはずです。その場合はなるべき出来高が大きくチャートが規則正しく動く銘柄が良いでしょう。一方で業績の変化や短期の思惑で株価が上下するような銘柄は少し扱いが難しくなりますので、できるだけ避けると良いでしょう。

以下のチャートをご覧ください。日経225CFDのNI225を5分足で描いたチャートです。NI225は日中のみの動きで連続性が若干低いためあまり題材として相応しくないかもしれませんが、あえてこれで解説してみます。

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まず中央に描かれたモメンタムリボンに注目します。これは現在のトレンドとその強さを表し、青色であれば上昇、ピンク色であれば下降、そしてリボンの長さがその強さです。

現在のチャートでは上昇トレンドで比較的強いと判断できます。寄り付きがら大幅ギャップアップですので当然です。

次に薄い緑色の線に注目してください。この線を「先行線」と呼び、株価が変化する可能性のある目安を知らせてくれます。このチャートでは今現在の10:00ちょっと前で大きく変化しており、ここから少し注意が必要であることを示しています。

この場合だとここからの動きは上放れか上昇トレンドの折り返しの可能性があります。すこし注意して、もしポジションを持っていないのであれば動きがでるまで見送りするなどが良いでしょう。

すこしチャートを進めてみます。

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注意点で株価が下げてきました。すこし下げ過ぎで大幅下落となり、モメンタムリボンもピンク色に変わっています。ここで注意したいのは、モメンタムリボンの変化は株価の変化に遅れます。これは移動平均線を用いているため仕方の無い部分ではありますが、現在のトレンドがどのような状態にあるかはひと目で解りますので、案外便利なんじゃないかと思います。

次に先行線にもういちど注目してみましょう。ちょうど変化点に下落から折り返してきた株価がタッチするところです。この位置は「Short MA term」で指定した期間過去に遡ったあたりで取られたポジションの平均価格になります。先行線が下向きに変化していますので、ちょっと前あたりで売りが出ていたことを示しています。また変化点ですので、ここから値動きが加速するか折り返す可能性があることを示しています。いずれにせよ要注意です。

もう少しチャートを進めてみます。

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いかがです?とりあえず上に抜けましたが若干頭打ちなっています。そして新しい変化点が現れました。

あとはこの作業を繰り返しつづけるだけです。実際にはモメンタムリボンと株価の位置関係で、通常移動平均線を用いたトレード手法で使われるGC、DCの考えも必要となりますし、前回の「おきらく一目均衡表」で解説したように、株価がそれぞれのラインに近づくことでどのような影響を受けるかについて考慮しながら、ここからのトレード戦略を建てていきます。

もう少し詳しい使用方法やその考え方などについては中編、後編で解説します。


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