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頭に火をつけろ!

お尻に火がつかないと動き出さない人って、たくさんいると思います。
ギリギリまで追い込まれ、まさにお尻に火がつかないと行動を起こさない。それは例えば、私なのですが。

毎年8月30日になると、あと二日で学校なのに夏休みの宿題が全然できてない、これはヤバイ、ということになって尻に火がつく、みたいな子どもでしたが、半世紀が経ち、半世紀だけに反省も数知れずしたであろうに、還暦を過ぎてもなんら変わっていない自分の愚かさを思い知っています。

例えばあの時。
息子が中学に入学したとき、担任の先生との三者面談で、先生は確かこんなことを仰ったのです。

「人間、誰だって尻に火がつけばやりますよ。それでもなおやれない人も稀にいますが、その人はできないんじゃなくてやらないと決めた確信犯。これから大きく伸びるか伸びないかは、尻に火がつくまでやらないか、頭に火をつけるかで決まる。例えば現役で東大に入っちゃう生徒には、頭に火をつけるという共通点があって、彼らはどうせやらなきゃならないならとっとと終わらせた方がいいと考え、夏休みの宿題なんか一番早い人は一学期の終業式の日に一気に片付ける。これが自ら「頭に火をつける」人たち、すなわち自らの意志で行動を開始できる人たちだ。その結果として、人生において自分の尻に火がつくという状況に陥ることはないのだ」

その話が腑に落ちたのかどうか、「頭に火をつけた」息子は昨年、現役で東大に入った。
一方、同じ話を聞いて息子以上に頷いていた父は、いまコロナで失業して収入がなくなってしまった。

やはりまた、尻に火がついているのである。



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