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ゴリラの惑星とゴリラピクニック/私小説⑥-5苦悩/ストレスジャンププール

ゴリラが、予防薬について語り始める

「まず、どんな薬でも、西洋薬でも、漢方薬でも、薬効と副作用があることに、異存は、ないか?」

その通りだと、頷く

「おれが予防薬に疑念を抱いたのは、2013年に婦人病予防の目的で、当時、小6~高1の女の子を中心に薬害が起きた。

現在も、日常生活に支障や障害が有り、提訴中だ。」

ちょっと待て…

そんな、ヒドイことが起きているのか…

「この件は、これ以上は触れないでおく。

霊長類省が、七夕に63回目の審議会を開いた。

それに触れる前に、おまえさんの身近で予防薬を、既に服用している者がいるな。」

「ああ。職場でよく話しを聞くし、役所や病院で、これから服用する人を、見かけたこともある。」

「まず、服用して現在は、健康に支障が出ていない者をA群とする。

次に、腕が痛い・熱が出た・仕事を休んだ等、という者をB群とする。

ここまでは、異存あるまい。」

「ああ。」

「オレは、B群の健康被害だけでも、問題だと思っているが…

霊長類省のHPには、、、

"本人の同意に基づき、効果と副作用を理解した上で、強制ではない"

と明言している。

服用すれば、自由な生活が戻ると、希望を持たせられて、いるようだが、、、

"誰がいつ、法令を見直すと約束をした?"」

たしかに、達成率を上げること、他国との比較が強調されているだけだ…

「次に審議会で、アナフィラキシーの副作用を認められた者をC群とする。
(F社製で1629件 M社製で14件の報告)

税金で補償を受けられるが、アレルギーになると、食事と日常の場面で、引き金に対して、細心の注意が必要になる。

以前の様な、生活は送れなくなる…

ここで、中止すべきだと、オレは思う。

最後に、D群は、服用した当日から数週間で亡くなられた方達だ…
(F社製で453名 M社製で1名の報告)

報告書を見るのも、心が痛むが、服用されて数日で亡くなられている方が、多い印象を受ける。

ほとんどが、因果関係不明と認定を受けられていない…」

「なんだって!?どうしてだ?」

「この先は、推測になるし、裏付けがない。

オレ達の生活する地域にいる、医者や病院からも、霊長類省に報告している。

副作用の責任は税金負担でも、C群とD群の問題は、株価や経営に影響するだろう?

医者と製薬会社は、普段から取り引きや、付き合いのある関係だ。

認定する者が、圧力を受けたり、抱き込まれるのが、どの業界でも自然なことだろう?」

「ああ、確かに…」

「"百聞は一見にしかず"

で、他人やネットから情報を集めるより…

自分の目と耳で調べて、正確な事実を知り、自分の頭で考え、感じたことだ。」

「すごいな…」

「裏付けを取る、一次情報を調べ、精査するには、時間と労力がいる…

その分、確かな根拠が得られるし、自信が持てる。」

記憶がある頃のおれも、似た様なことを、言っていたのだろうか?

ということは、霊長類省のHPで公開されている情報を見たりして、自分の頭で考えたらいいのか?

「中身がな…

実は、生理食塩液(塩水)という詐欺で、金銭の搾取であれば、謝罪や賠償を求めればいい…

だが、失われた健康や、命は戻ってこない…

生活や人生を奪われた人は、どうなる?

予防や重症化を避けるためというが、失う代償が、大き過ぎないか?

自ら望んで、選択していなくて、、、

有形無形の圧力と、閉ざされた情報の元で、選択せざるを得なく、選択をさせられている…

だれにも、健康被害がなければ、どんなに、いいことか…」

ゴリラが、苦悩している奥底を見た気がした…


その時、お店のドアが乱暴に開けられる音がした!

「見廻り隊だ!!!」

偉そうで、横柄な声が、バナナ食堂に響き渡る

視線を向けると、この世界で初めて見た人間だった

魔酢苦をしていない、首に身分証を下げている、役人の男だった

後ろには、同じ役人の女で、片手にカメラを持ち、動画を撮影している様子だ

一体なんなんだ、こいつら?

と思うと、店内の客も店員も、静かになり怯えている

そして、おれとゴリラのいる席を目指して、やってきた…

「通報にあった、ゴリラなんかと、仲良くしている人間は、お前か?」

と、役人の男が言う

「ゴリラなんかって、失礼だろうが!

おれの、大切な友人だ!」

思わず口に出た言葉に、自分でも驚く…

「ふん、人間のくせに、ゴリラと仲良くする奴なんか、いるのか?

おい店長!

ゴリラにバナナを提供したら、法令違反だ!

即刻、営業停止だ!」

「お前、さっきから、うるさいぞ!

みんな食事を、楽しんでいるだ。

それに、そのバナナは人間のおれが注文した。

だから、問題はない。」

ようやく黙らすことが、できた

おれの様な人間は、珍しいのか?

店員や他の客が、おれに視線を向けながら、珍しがっていると…

「オイ! ゴリラどもは、モグラ食が、義務化されてるだろうが!

静かにしていろ!

ちっ! 癪に障る人間だな。

ゴリラの、肩ばかり持ちやがって。

お前、本当に人間か?

おい、ゴリラ入国許可書・ゴリラ就労証明書・ゴリラ在留資格証明書を見せろ!」

なんだ?

聞いたことのない、ものばかりだ…

パスポートは、海外への渡航が制限や行動の制約が有り、失効したままで、自宅に置きっ放しだし…

「なにか、身分が証明できるものを…」

と、ゴリラが小声で言った

そうだ、免許証があったのを思い出し、提示した

これで、いいのか?

「人間で、免許証持ちだと…

しかも旧型

おい!

マイナンバー型に、変更していないじゃないか?」

「個人情報が収集され、紐近付けされるからだろう。」

と、ゴリラが言うと

「うるさい!

ゴリラは、モグラ食してろ!」

お前が、さっきから、うるさいんだよ…

「くっそが!

不快な奴らだな。

じゃあ、予防薬服用証明書は?」

と聞かれ、ゴリラがおれに何か言いかけようとしていたが、口が先に動いてしまった…

「いや、まだ服用していない…」

と言うと、役人の男の口元が、醜く歪んだ

「では、蔓延ピンクゴリラ拡大に抵触するな。

喜べ、ゴリラ収容所へ行けるぞ(笑)」

「ちょっと待て、服用は任意だし、特段の事情がある者は、強制されないはず…」

とゴリラが、口を挟むが…

「ゴリラの分際で、誰に口を開いてんだよ!

俺が 、黒と言えば、白も黒くなるんだよ!」

なんだ、何か、しくじったのか?

収容所って、マズイ場所なんじゃ…

「おい!

拡大防止対策車を呼び出せ。

こいつを連行させる(笑)」

と役人の女に、命令している

「しかし、法令の要件を満たしては…」

「うるさい!

上司の俺様に、楯突く気か!

いつも通り、公文書を偽造すれば済むことだ!

俺に逆らうと、どうなるかは、よくわかっているだろう?」

と、嫌な笑いを浮かべている

最初から、嫌な感じはしていたが、本能が警報を鳴らしている

こいつは 、悪党で最低の奴だ

だが、どうしたら?

収容所に入れられたら、元の世界に、帰れなくなるのでは…

マズイことになった…

せっかく、予防薬のことが、分かりかけたのに…

すると、ゴリラが口を開いた

「見廻り隊の、お役人様。ゴリラごときが、口をきいても、いいでしょうか?」

おい、どうした…

急に、自分を卑下して…

「ふん、やっとゴリラらしくなったな。

人間と一緒だから、気が大きくなっていたのか?」

「申し訳ありませんでした。

ゴリラの分際で、失礼しました。

お役人様に、お願いがございます。」

と、頭を下げている

おい、ちょっと…

「ふん、なんだよ」

「後生のお願いです。

この人間に、最後に、煙草を吸う機会を、与えて頂けないでしょうか?」

「煙草か…

まあ、いいだろう。

収容所へ入ったら、2度と出られないし、面会も禁止だからな。

逃げようとしても、動画があるし、ゴリラ指名手配をすれば、懸賞金欲しさに、すぐに見つかるからな」

まるで、獲物をいたぶり、楽しんでいる様だった

クッソ!

もう、どうにもならないのか…

つづく
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お読み頂いて、ありがとうございます。

ようやく予防薬のことも書け、小説らしく、なったでしょうか?

問題や想いを、簡潔に要約するのは難しかったです💦

そろそろ、終わりも近くなりました。

よかったら、続きが書けた時に、お読み頂けたら幸いです。

よい1日を

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