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渋谷暴動事件公判傍聴記・2023年7月21日(被告人:大坂正明)

2023年7月21日

東京地裁4部ABD係

429号法廷

事件番号:平成29年合(わ)第115号

罪名:凶器準備集合、公務執行妨害・傷害、現住建造物等放火、殺人

被告人:大坂正明

裁判長:高橋康明

書記官:川人亜季



9時30分までに、23枚の傍聴券に対し、62人以上が並んだ。傍聴券交付所では、若い男女の支援者が、資料の配布を巡り、職員と「理由を言えよ」と言い争っていた。

入廷前、荷物預り、金属探知機のチェックが行われた。職員は、傍聴人の足首まで触っていた。

記者席は15席指定されており、すべて埋まる。法廷画を描いている人もいた。

弁護人は、眼鏡をかけて髪をオールバックにした男性、太った白髪の老人、白髪の眼鏡をかけた老人、ウェーブがかったショートカットの女性、髪の短い男性、前髪が長い男性の六人。大弁護団である。

検察官は、眼鏡をかけた痩せた中年男性、オールバックの男性、眼鏡をかけた短髪の中年男性の三人。

裁判長は、眼鏡をかけたオールバックの中年男性。裁判官は、髪の短い青年と、髪を七三わけにしたエリート然とした40代の男性。

被告人は、柔らかい白髪を七三に分け、眼鏡をかけた、引き締まった体格の初老の男性。73歳という年齢よりは若く見えた。白と茶の細い縞模様の入った長袖の服、グレーの長ズボン。白いマスクをつけている。傍聴席の方を見て入廷した。

10時より、大坂正明被告人の公判は、開廷した。


裁判長『被告人質問、検察官から』

被告人質問の間、被告人は終始検察官の方を向いて、質問に答えていた。ややこもった声だった。感情をあらわにせず、手短に質問に答えた。「覚えていません」という答えが多かったが、それは本当に覚えていないのか、それとも、故意に応えないのか。また、被告人質問中、しきりに咳をしていた。


<森中検察官の被告人質問>

検察官『1968年、高校を出て、千葉工大へ入学』

被告人『はい』

検察官『野球部で活躍し、北海道大会へ』

被告人『はい』

検察官『レギュラー』

被告人『はい』

検察官『体鍛える』

被告人『はい』

検察官『体格は』

被告人『痩せました』

検察官『運動は』

被告人『陸上部にほんの一時期入ってましたから、練習は殆どしていません』

検察官『中核派』

被告人『はい』

検察官『マル学同』

被告人『それは答えられません』

検察官『マルクス派の学生組織』

被告人『はい』

検察官『マル学同は、中核派』

被告人『はい』

検察官『被告人は、マル学同中核派か、答えられない』

被告人『はい』

検察官『千葉工業大学で、前進を持ってきたりした』

被告人『はい』

検察官『配ったり』

被告人『はい』

検察官『勉強会は』

被告人『そこは、私一人が持って行って前進を売ったということではなくて』

検察官『読み合わせ』

被告人『はい』

検察官『したこと』

被告人『したことはないんです』

検察官『勉強会』

被告人『ありません』

検察官『各自読む』

被告人『そうです』

検察官『持ってくるのは』

被告人『私の場合もありますし、4,5人で、誰か一人が買いに行きます』

検察官『どこへ』

被告人『前進社です』

裁判長『どこへですか』

被告人『前進社です』

検察官『昭和46年、中核派の活動、A、M、Iら5人』

被告人『はい』

検察官『他は』

被告人『活動というとちょっと語弊があるんですが、その人たちは、69年の闘争戦って、出なくなった。実質的に元活動家です。ごくまれに政治集会でたりはやっていました』

検察官『他にも出る人』

被告人『ないと思います』

検察官『カクマル同政治集会、中核派』

被告人『はい』

検察官『大きい集会』

被告人『はい』

検察官『他に参加は』

被告人『覚えていません』

検察官『活動のきっかけ、A、中核派支持していたから』

被告人『はい』

検察官『渋谷行動、同人参加していた』

被告人『していません』

検察官『怪我をして控える』

被告人『A君ですか』

検察官『はい』

被告人『69年10月から、あまり活動していません。怪我して、控えていて、あまり活動しなくなりました』

検察官『昭和45年、三里塚に行き、被告人一人で活動』

被告人『はい』

検察官『一人になったなら、一人で行動』

被告人『ええ、そうですね』

検察官『集会でも一人で』

被告人『学内ですか』

検察官『どこでも』

被告人『学内は、1970年以降、行ったことありません』

検察官『他大の人と合流』

被告人『はい』

検察官『一緒に活動』

被告人『はい』

検察官『1971年7月、学生代表者会議に出る』

被告人『はい』

検察官『それまで、全学連、N、Yと会い、方針教えてもらう』

被告人『はい』

検察官『間違いない』

被告人『はい』

検察官『一対一で会う』

被告人『ほとんどそうです』

検察官『地位は』

被告人『職ですか』

検察官『どの程度』

被告人『それはわかりません』

検察官『上か下か』

被告人『ですから、そういうことはわかりません』

検察官『当時、何人』

被告人『都内でですか』

検察官『都内で』

被告人『都内だと。大体100名前後だと思います。全国だとちょっと解りません』

検察官『中央執行委員』

被告人『解りません』

検察官『(判読不能)では』

被告人『解りません』

検察官『上の立場では』

被告人『ランクがどれくらいか聞いているんですか』

検察官『はい』

被告人『そういうことはわかりません』

検察官『上では』

被告人『私は役職名のない執行委員は知りませんから』

検察官『Y、簡単に会える』

被告人『それはわかりません』

検察官『そうそう方針教えては』

被告人『70年の秋か冬か、正確にはちょっと覚えてません』

検察官『方針、学生伝える』

被告人『はい』

検察官『千葉工大の』

被告人『はい、伝えますけど、殆ど期待はしていませんでした』

検察官『千葉大、東工大いる』

被告人『はい』

検察官『伝える』

被告人『はい、伝えることもあります』

検察官『被告人は、前進を取りに行く』

被告人『はい』

検察官『買って、さらに前進を売る』

被告人『売るというより、皆さんフラットですから、配るだけですね』

検察官『配る』

被告人『大体定期行動していますから、まとめて払っていると思うんですよ』

検察官『渡す』

被告人『はい』

検察官『東工大にも』

被告人『渡す場合もありましたが、毎回していません』

検察官『取りに行くことも』

被告人『はい』

検察官『中核派』

被告人『はい』

検察官『前進の役割は』

被告人『どのような役割、ちょっと意味が解りません』

検察官『あなた中核派』

被告人『はい』

検察官『読んでいた』

被告人『はい』

検察官『なぜ』

被告人『情勢を知るとか・・・』

検察官『ほかには』

被告人『そうですね』

検察官『核共同中央発信』

被告人『はい』

検察官『前進、中核派活動家なら、方針理解して活動するのでは』

被告人『よく理解っていうのは、ちょっと語弊があります。よく理解していない人はいないです(笑)』

検察官『方針にとって活動は』

被告人『実際にはそうはなってません』

検察官『昭和46年7月以降、学生代表会議に出席』

被告人『はい』

検察官『きっかけは』

被告人『Yさんが逮捕されたからです』

検察官『きっかけは何』

被告人『覚えてません』

検察官『いわれた』

被告人『だれか…ちょっと覚えてません』

検察官『話し合いは』

被告人『その時の情勢と、闘争方針とか、はい』

検察官『7月10月ごろ』

被告人『はい、そうです』

検察官『渋谷暴動の話は』

被告人『そのころっていうと』

検察官『7月~10月ごろ、代表者会議で』

被告人『はっきりした記憶には残っていませんが、おそらく10月には出たと思います』

検察官『他参加は』

被告人『いません』

検察官『被告人が、学生代表者会議で話した情勢、千葉県内の学生に伝えるか』

弁護人『それは、被告人が話したと?』

検察官『会議で話されたこと、被告人は知った。それを大学生に伝えた』

被告人『千葉大と東邦大の活動家二人がすでに逮捕されてましたから、その二人に伝えることはありません。千葉工大は動く人が少ないから、殆ど伝えてなかったと思います』

検察官『伝える』

被告人『伝えることもあります』

検察官『何人』

被告人『覚えてません』

検察官『10人~20人』

被告人『見当つきません』

検察官『記憶は』

被告人『覚えてません』

検察官『代表者』

被告人『覚えてません』

検察官『どこの地方か』

被告人『推測はできますけど、当たっているかわかりません』

検察官『どこと』

被告人『中核派の拠点校、ほぼ出てたと思います』

検察官『どこですか』

被告人『法政、横国、慶応、埼玉、高経に参加していたと思います』

検察官『拠点校』

被告人『知りません』

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