米国株、ダウ続落し286ドル安 地銀株急落で米景気先行きを不安視 ナスダックも続落

米国株、ダウ続落し286ドル安 地銀株急落で米景気先行きを不安視 ナスダックも続落

米国・欧州株概況

2023年5月5日 5:48 (2023年5月5日 6:42更新)



【NQNニューヨーク=稲場三奈】4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、前日比286ドル50セント(0.9%)安の3万3127ドル74セントで終えた。米中堅銀行の経営不安から、投資家心理が悪化した。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化で米景気が減速するとの観測も売り材料となった。

3日夕に身売りや増資などを検討していると報じられた地域銀行のパックウエスト・バンコープが4日に急落し、5割安で終えた。経営の先行き不透明感から他の地銀にも売りが波及し、ウエスタン・アライアンス・バンコーポレーションは24%、ザイオンズ・バンコーポレーションは12%下げた。ダウ平均の構成銘柄では大手金融のゴールドマン・サックスJPモルガン・チェースが売られた。

FRBは3日発表した米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で利上げ打ち止めの可能性を示唆した。半面、パウエルFRB議長はその後の会見で追加利上げの可能性を排除せず、インフレ懸念を背景に早期の利下げは否定した。金融引き締め姿勢が長期化し米景気を冷やすとの見方も引き続き相場の重荷だった。

市場では「地銀株の急落は短期的なものだろう。ただ、買いが戻ったとしても景気悪化への懸念は根強く残る」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。

クレジットカードのアメリカン・エキスプレス、映画・娯楽のウォルト・ディズニーなど消費関連株も売られた。一方、製薬のアムジェンと半導体のインテルが上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落した。前日比58.930ポイント(0.5%)安の1万1966.398で終えた。交流サイトのメタ・プラットフォームズやネット検索のアルファベットが売られた。一方、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が6%高。マイクロソフトと共同で人工知能(AI)向けのチップを開発すると伝わり、買いが優勢となった。

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