米国株、ダウ反発し62ドル高 雇用統計に先回りした買い、ナスダック4カ月ぶり高値

米国株、ダウ反発し62ドル高 雇用統計に先回りした買い、ナスダック4カ月ぶり高値

米国・欧州株概況

2023年12月8日 6:28



【NQNニューヨーク=横内理恵】7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比62ドル95セント(0.17%)高の3万6117ドル38セントで終えた。今週発表された雇用関連指標と同様に8日発表の米雇用統計が労働市場の需給緩和を示すとの見方が相場を支えた。ダウ平均が前日までに3日続落したことで短期的な相場の過熱感が薄れたとの声もあり、好材料の出た主力ハイテク株を中心に見直し買いが広がった。

今週は5日発表の10月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数が2021年3月以来の低水準となり、6日の11月のADP全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者数が市場予想を下回った。11月の米雇用統計では全米自動車労組(UAW)のストライキ終結を受けて雇用者数の伸びが10月を上回るとみられる半面、賃金上昇率が前年同月比で鈍化すると予想されている。

米景気の減速に伴い、インフレと雇用の伸びが鈍化し、米連邦準備理事会(FRB)が24年前半にも利下げに動くとの見方が強まっている。米長期金利は前日に4.10%と約3カ月ぶりの低水準を付け、7日も4.1%台前半で推移する場面が多かった。金利の低下基調で株式の相対的な割高感が薄れる傾向にあることも投資家心理の支えだった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、ネット検索のアルファベットに買いが集まった。傘下のグーグルが6日に生成人工知能(AI)関連の新技術を発表し、一部のアナリストが高く評価したことが好感された。6日にAI向け新製品を発表した半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も大幅上昇した。アナリストが成長期待を示した画像処理半導体(GPU)のエヌビディアも高い。ダウ平均の構成銘柄ではスマートフォンのアップルの上げが目立った。

他のダウ銘柄ではドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスや半導体のインテル、映画・娯楽のウォルト・ディズニーなどが買われた。一方、製薬のメルクやスポーツ用品のナイキは下落した。

ダウ平均は一進一退で始まった後、110ドル近く上昇する場面があった。ただ、雇用統計を見極めたい参加者が多かったため、午後は伸び悩んだ。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前日比193.282ポイント(1.36%)高の1万4339.994と7月末以来、約4カ月ぶりの高値で終えた。アルファベットが5%強、AMDが約10%、エヌビディアが2%強上げた。

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