米国株、ダウが続落 引き締め長期化に警戒 債務上限巡る協議控え様子見も

米国株、ダウが続落 引き締め長期化に警戒 債務上限巡る協議控え様子見も

米国・欧州株概況

2023年5月23日 5:08 (2023年5月23日 5:17更新)



【NQNニューヨーク=矢内純一】22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前週末比140ドル05セント安の3万3286ドル58セント(速報値)で終えた。米連邦準備理事会(FRB)高官が相次いで金融引き締めの継続に前向きな発言をしたことを受け、引き締め長期化による景気悪化への警戒が広がった。米連邦政府債務問題を巡るバイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長の会談を22日夕に控え、結果を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的に持ち高を傾ける動きは限られた。

ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は22日の米CNBC番組で、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送る決定をしても「引き締めサイクルの終了を意味するわけではない」と述べた。セントルイス連銀のブラード総裁も「今年はさらに0.25%の利上げを2回実施するのが望ましい」との考えを示した。市場では、「金融引き締めが長引くとの警戒が強まった」(オアンダのエドワード・モヤ氏)との指摘があった。

債務上限問題については、バイデン米大統領とマッカーシー下院議長の会談が米東部時間22日17時30分に始まる見通し。早期に妥協点を見いだすのは簡単ではないとみられているが、米政府の資金繰りが行き詰まるとされる6月1日までは時間が限られている。株式市場では議論の進展を見極めたいという雰囲気があった。

ダウ平均の構成銘柄では、スポーツ用品のナイキ、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、飲料のコカ・コーラが下げた。半面、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)、半導体のインテル、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前週末比62.879ポイント高の1万2720.776(速報値)で終えた。

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