米国株、ダウ反落し373ドル安 FRB議長講演を前に持ち高調整 ナスダックも反落

米国株、ダウ反落し373ドル安 FRB議長講演を前に持ち高調整 ナスダックも反落

米国・欧州株概況

2023年8月25日 5:57



【NQNニューヨーク=矢内純一】24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比373ドル56セント(1.1%)安の3万4099ドル42セントと7月10日以来およそ1カ月半ぶり安値で終えた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が25日午前に国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演する。金融引き締めの長期化につながるような発言への警戒から、持ち高調整の売りが出た。週初から上昇していたハイテク株を中心に売りが膨らんだことも、相場全体を押し下げた。

FRBが急ピッチで利上げを進めた後でも、米経済は底堅さを保っている。物価上昇は落ち着く方向にあるものの、パウエルFRB議長が25日の講演で、金融引き締めに積極的なタカ派的な発言をするとの見方は根強い。ボストン連銀のコリンズ総裁が24日の米メディアのインタビューで、一段の利上げの可能性に言及した。

週間の米新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、労働市場の需給が引き締まっているとの受け止めが広がった。FRBがタカ派に傾斜することへの警戒も重なって、24日の米債券市場では前日に急低下した長期金利が上昇。「株式の相対的な割高感が改めて意識された」(ウェドブッシュ証券のスティーブ・マソッカ氏)との見方があった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体のエヌビディアは小幅高で終えた。前日夕に発表した2023年5~7月期決算では、売上高と1株利益が市場予想を上回り、8~10月期見通しも市場の想定を超えた。朝方には7%高となり、人工知能(AI)や半導体に関連する銘柄を中心に買いが入り、相場全体を押し上げる場面があった。ダウ平均も午前に上げ幅が一時200ドルを超えた。

もっとも、ハイテク株は週初から上昇が目立っていた。次第に持ち高調整の売りが優勢となり、ハイテク株全般が下落に転じた。エヌビディアも上げ幅を次第に縮小した。

航空機のボーイングが大幅安。航空機部品の不具合が発覚し、機体納入に影響するとの懸念から売られた。スマートフォンのアップル、ソフトウエアのマイクロソフト、映画・娯楽のウォルト・ディズニーなども下げた。一方、保険のトラベラーズと化学のダウが買われた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日比257.061ポイント(1.9%)安の1万3463.972で終えた。電気自動車のテスラ、ネット通販のアマゾン・ドット・コムなどが下落した。

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