見出し画像

11. 教える人にとって必須のスキル

■ このアルバイトで一番収穫だったことは、教える上で大切なことを、教えられる側に立って実感したこと

私が何も出来ない状態から、自分なりに工夫しながら仕事が出来るようになるまでには、現場の皆さんのご指導があったからです。

しかし、全てがわかりやすい指導だったわけではありません!(きっぱり)「なるほど!」と思うこともあれば「どうしよう!」と思うこともありました。

たとえ仕事が、高度で複雑な内容でなくても、わからないことはわからないし、出来ないことは出来ないのです。
指導の成果は、指導を受けた人の仕事の出来具合に表れます。決して、「私は言われたとおりにやりましたけど!」という反抗的な態度を取ったわけではありません。
教えられる側に立って、「教えるのは、難しいけど大切なことだな」と実感しました。教えていただいた経験を振り返って、気づいたことをまとめてみました。一気にまとめてみましたので2回に分けてご紹介します。

1.教えるために必須の3つのこと

教える人が、人に教える前に、きちんと身につけておく必要があること_それは、伝えたいことを、伝わるように、伝えることが出来るです。具体的には以下の3点は必須であると痛感しました。

①伝えたいことは最後まで(「。」まで)きちんと伝えること

日本語は、文章の最後に一番重要なことがくるようになっています。
「何をどうしたらいいか」
「どうして欲しいか」
「何をしてはいけないのか」など、
最後まで聞かないと行動出来ません。忙しくなると、単語だけが飛び交うので、仕事に慣れなていないとどのように動けばよいのか、判断に困ります。

私も家では、家族に何かを頼むときに単語の羅列になっていることがよくあり、その都度、娘たちから「最後まできちんと言ってもらわないと出来ないでしょ!」と叱られています。
実際に、指示を受けて動く側になると、最後まで伝えてもらうことは大切だと実感しました。正しく、迷うことなく動いてもらうためには、伝えるときは「です」「ます」まできちんと伝えることが一番です

②専門用語、略語、その職場で通用する言葉を使わず、誰でもわかる言葉に言い換えて説明すること

話の中に、わからない言葉が出てきたり、言葉がきちんと聞き取れなかったら、そのことが気になって集中して聞けなくなってしまいます。どんなに丁寧にゆっくり説明しても、たった一つわからない言葉があったために伝わっていない場合もあります。

新しく仕事を始めた人がいる場合は、その人に説明をする前に、自分が使っている言葉の再点検をしておく必要があります。ですから、最初は説明するのがとても面倒くさいのです。

「こんなこともいちいち具体的に説明しなければいけないのか?」と思われてしまいますが、知識が全くない人、その仕事をはじめて行う人にとっては、耳に入る言葉のほとんどが、意味不明で不安になる言葉なのです。
少しでも早く、いつも使っている言い方に戻したいのなら、具体的な言葉で説明した後に「現場では“●●●”と呼んでいます」と伝えてその言い方を覚えてもらうようにします。

③意外と多い「あそこに」「ここに」「あれ」「これ」を具体的に伝える

慣れないうちは、扱っている荷物や空になったカートをどこに移動すればよいかがわからないので、他のスタッフの方に声をかけて指示を仰いでいました。
その際に、決まって返ってくるのは
「あそこに置いて下さい」
「あっちに持って行ってください」
「そこではなく、あっちです」
という言い方で、指し示しているのも方向だけのオンパレード。

これには大変困りました。指示をした方は場所や位置が正確にわかっていても、わからない人には大雑把に言われてもわかりません。
「この辺かな?」と思って移動させると、「違う!」と言われたり、別のところに移動するようにまた指示を受けたり、黙って移動し直されたり…。

1回の指示でやり直しなく出来るようにしないとお互いの作業に無駄が発生するだけでなく、お互いが嫌な気分になります。

また、要領良く仕事をしている人や仕事が早い人が、必ずしも教え上手ではありません。むしろ、その人の説明が非常にわかりにくくて聞き返したり、やり直しが発生したりしました。

(「~さんの言葉が解読できるようになるまで時間がかかった」と娘も話していたことがありました)
自分が分かっていることが、相手も分かっているという前提で話されているからなのかもしれません。

スタッフの一人で、どちらかと言えば要領が悪く、作業に時間がかかっている方がいらっしゃいましたが、その方の説明が一番丁寧でわかりやすかったです。自分自身がミスをしてしまうところは、特に説明が丁寧で、人のミスに対しても寛大でした。

教える人が、仕事のやり方を率先垂範出来るのはもちろん大切ですが、自分のやっていることを、初めての人にもわかりやすい言葉で、具体的に伝えてはじめて、教える側としての条件が整うのだということが再確認できました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?