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04. 人に聞くにはかなり勇気がいる

早朝アルバイトの話から少し外れますが、私は企業研修を仕事にしています。研修で関わっている方たちは、新入社員、若手社員から管理職、経営者の方たちまで。全階層が対象です。

様々な階層の方と関わっていると、管理職、経営者の方たちは、
「新入社員や若手社員は、わからないことがあっても質問や相談に来ない!」「遠慮せずに、何でも聞いてほしいんですけどね!」とおっしゃいます。

一方、新入社員や若手社員の方たちからは
「先輩や上司の忙しい様子を見ていると、なかなか声がかけられない」
「今、忙しいから後にして!と言われると、もう何も聞けなくなってしまう」と相談を受けます。
そんな新入社員や若手社員の方たちには、研修で、

「忙しくても、自分の仕事を前に進めなければ、かえって先輩や上司に迷惑がかかりますよね。だから、勇気をもって声をかけましょう」と伝えていました。

しかし・・・・!
実際にこの仕事をはじめてみると、わからないことがあって聞きたくても、
聞ける雰囲気じゃない!
どう聞いていいかわからない!
聞いてもさっぱりわからない!
という気持ちを痛感しました。仕事や作業の中で、誰かの手を止めさせてわからないことを聞くのは、かなり勇気がいることなのです。こんな図々しい私でもそうなのですから、新入社員や若手社員が、聞くに聞けなくて困っている気持ちが理解できました。

特に、配送センターの仕事は、「●時までに、●●の作業を終える」というように、作業の期限がきちんと決まっています。そんな中、入ったばかりで何もわからないからと言って、何でもかんでも聞いていたら、作業全体の流れを止めてしまいます。

ですから、「人に聞くこと」と「自分で調べること」に分けて仕事が出来るようになることを目指しました。

人に聞きながら出来るようにしたことは、判断に迷った時の確認事項です。
自己判断で作業を進めると、ミスにつながります。現場の仕分けミスは、配達のドライバーさんの確認作業の遅れにつながるし、仕分け間違いがそのままになってしまったら、配達の遅れにつながりお客様の迷惑になってクレームが発生します。

物流会社に勤めていたときに、事務処理のミスで随分現場や運送会社の方に迷惑をかけていたので、正確に作業を進めたいという思いが身体に沁みついていたように思います。

エリアごとのカートにかかっている表示を観ればわかるものもあるし、「見ればわかるよ」と言われたこともありました。
でも、時間をかけたくないときは聞いて確認した方が早い場合があります。
忙しい人の手を止めさせて何かを聞くというのは勇気がいります。
しかし、躊躇していたら自分の作業は先に進みません。結果的に作業全体が遅れることになってしまいます。
忙しそうな様子に気遣いながらも声をかけて教えてもらい、教えてもらった後は「ありがとうございます」で締めくくる。

新入社員研修のときに、新入社員に伝えていることですが、私自身が実践してその大切さを実感することになりました。

仕分け作業を覚えるのは時間がかかりましたが、アルバイトを始めた頃は、早く仕分けることよりも、正確に仕分けることを大切にしながら働きました。そして、この積み重ねが、2週間後に成果となって表れました。


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