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一生もののスキル


今朝は、始発の電車で移動を開始しました。

こんな朝早く電車に乗って仕事に向かうとき、新入社員の頃を思い出します。

勤務先の先に、パナソニックの工場群があって、あげた足が下ろせないほど電車が超満員。ヘロヘロになって電車を降りてバスに乗り換えるんだけど、会社の手前に自動車試験場と教習所があるのて、これまた超満員。
最初は、通勤だけで仕事が終わったみたいに疲れていました。

こんな毎日とてもじゃないけど無理!と思って少しずつ乗る電車の時刻を早めたら、ガラガラなのは始発かその次の電車だとわかりました。

だから毎日4時に起きて、5時前には家を出て、ほとんど誰も乗っていない電車で通い始めました。駅に着くのが早すぎて、バスはまだ走ってなかったからウォーキングがてら歩いて出社。
会社に着くのは6時過ぎでした。

勤務が始まる8時半までは、事務所の掃除をして、機械を起動させ、お湯を沸かして、出社してきた人にいつでもコーヒーやお茶が出せるようにして、自分の仕事を片付けていました。

人一倍要領が悪かったので、突発的なことに対応出来なかったから、落ち着いて対応できるように、早め早めに行動するようにしていました。

誰に教えられたわけでも、指示されたわけでもなく、自分のために考えて行っていたこと。
結局、結婚するまでの3年間、そういう生活を続けていました。だから、後輩には「私が好きでやっていることだから、真似してやらなくていいからね!」と言っていました。

満員や混雑が大嫌いで始めたことでしたが、おかげでたくさんのことを、心に余裕を持ってじっくり身につけることができました。
早めに出勤される先輩方も何人かいらっしゃって、お話や経験談もとても勉強になりました。

振り返ってみたら、あの3年間で、今の私の考え方や仕事への取り組み方が作られたような気がします。

もう一つ、忘れられない思い出があります。
それは、「字」のこと。

もともと、メモやノートを取ることは好きでしたが、自分の字は大嫌いでした。
入社して2番目に仕えた上司の字が、読みやすくてきれいで憧れでした。
そこで上司の字を真似ることにしました。

お手本なんてないから、上司が作った手順書や伝票の控えをこっそりコピーして、毎日それを見ながら練習。

少しずつ字が似てきて、ほかの先輩たちから「字がよく似ている」と言われるようになりました。(上司には、最後まで、真似するな!や全然似てないわい!と言われ続けましたけどね!)

でも、皆んなからそう言われて練習した甲斐があったなーと、嬉しく思いました。

言われてやったことは身につかない。

自分で、
こうしよう!と決めたこと

決めたことを、愚直に実践し続けたこと

出来ないところから、試行錯誤を繰り返して出来るようになったこと


それが自分のものになっていくのだと思います。

そうやって、一つひとつ自分の中に大切な考え方やスキルを身につけていきました。
この会社でしか使えないものではなく、どこでも通用する、一生ものの考え方やスキル。
その一つひとつを、お手本を示しながら教えてくださった先輩や上司には、心から感謝しています。

事情があって、志半ばで会社を辞めることになり、フリーランスの道を歩もうと決めたとき、多少の不安や迷いはありました。でも、もうどこにも所属しなくても、私はやっていける!という確信もありました。

あれから31年。
私はずっとあの頃と同じ。私のままで生きています。

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