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自分のために記録する

今日は、島根にあるリハビリの専門学校の5回目の講義でした。

講義は今日を入れてあと2回です。最後の講義は、成果発表と修了レポート作成に充てるので、学生たちと一緒に過ごす時間も残り少なくなってきました。
わずか7回(90分×2コマ/回)の講義ですが、回を重ねるにつれ、学生たちはじわじわと進化しています。

毎回、講義の終わりに、「今日の気づき」という感想レポートを提出してもらい、コメントをぎっしり書いて次の講義に返すことを、24年間続けていることも、進化に大きく関係しています。

手書きでコメントが書いてあることは、24年前から学生たちには好評のようです。

それに対して、学生から何か言葉をかけてもらっているわけではありません。でも、3回目の講義を担当する頃から、全員が、しっかり私の方を見て講義を受けてくれるようになるし、講義が終わってレポートを提出するときに、「お願いします」や「ありがとうございました」「今日も楽しかったです」という言葉をかけてもらうようになります。
そして、レポートを一人一人に手渡すとき、みんな嬉しそうに受け取ってすぐに読んでくれていたり、その日に提出する「今日の気づき」にそのお返事を書き始める学生も、何人かいます。

今年は、講義の最初に、感想だけでなく講義の中で大切だと思ったことをメモしてもらうように促してみました。
すると、皆が、講義の間中、筆記具をもってせっせとメモしてくれるようになりました。

ただ、言われたことを書いているだけではなく、自分にとって大切なことを記録しているのがわかります。そして、提出されたレポートはどれもギッシリ書き込まれています。

今日は、「このレポートの使い方を実践してみて、気づいたことを書いてもらえますか?」とお願いしてみました。すると以下のような気づきが書かれてありました。

・この取り方を実践するようになってから、先週は何をしたかな?とわからなくなっても、レポートを見ただけで思い出すことができます。だからこの活用は良いと思います。

・この書き方にしてから、授業のポイントを振り返れるようになって、良い書き方を教えてもらえたと思っています。

・この書き方を実践するようになって、家での勉強の効率が上がりました。ちょうど今月は2教科の試験があるので、この書き方を活用したいと思っています。

・『今日の気づき』に自分の思っていることを言葉にすることで、「実は自分はこう思っていたんだ」と気づけるようになりました。書いていてとても楽しいです。悩みを誰かに打ち明けるのも、気が楽になってよかったです。

・普段気づいていても、なかなか言えなかったことをこのレポートに書いて伝えることで、回答やアドバイスがもらえて、気持ちが楽になりました。相手を知ることも大切ですが、自分自身を知ることはもっと大切だと思っています。

・自分の思ったことを文章にすることはすごく苦手だったので、その練習と苦手の克服になっています。

・自分にとって大切だと思うことがメモできるし、またそれを見て感想も書けるところが気に入っています。

・資料に書いてある同じ内容でも、気づきとして自分なりにまとめて書けば、そのページまで見直さなくても良いのが楽です。

・自由に書けと言われたら、どう書いていいかわからなかったけど、回数を重ねていくうちに自分の書き方がわかってきました。

・「今日の気づき」を、毎回の授業で書き方を変えながら、自分にとってわかりやすいまとめ方を探すのは大切だと思っています。今はこういう書き方だけど、まだまだいろいろなまとめ方があると思うので、自分に合うまとめ方を見つけていきたいと思います。

・このレポートを書いていく上で、聞くのと同時進行でメモを取ることに少し慣れてきました。他の授業でも活用しています。

・この授業で毎回レポートを書くようになって、今までよりも字を書く機会が増えました。「この漢字なんだった?」と思うことが少なくなったように思います。

・授業で大切なことをメモしたり、自分の思いを書くことで、理解が深まり記憶に残るようになりました。毎回、個人に手渡して返してもらえるので、人に見られるかも…と考えず、自分の意見や思いを書くことができます。質問や相談にも応えてもらえるので、気軽に質問ができるのが嬉しいです。

・レポートを3分割して整理して書くやり方は、頭の中を整理しやすくてハマっています。

・大切なことをメモしたり、感想を書いたりすることで、頭の中が整理され、これから自分がどうしたいか、習得が必要なことは何かがよくわかるようになりました。

・大切なポイントとそれに対する感想を同時に見ることができるので、その日に何を学んだかが思い出しやすくて、とても良いと思っています。

レポートの内容を読んでいると、みんなが自分のために楽しんで記録を取っていることが伝わってきます。
楽しいやり取りも、残り少なくなってきましたが、最後まで、私もみんなの気づきや思いをしっかり受け止めて、全力で応えていこうと思います。

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