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05.学生アルバイトの仕事ぶり

宅配センターで日々(早朝に関して)作業する人数は、事前にではなく出勤してからわかりました。
女子大生も、何人か来ていました。配送センターから車で10分くらいのところにある女子大の学生で、同じ部の先輩と後輩のようでした。

早朝の仕事なのでバスは運行していませんから、彼女たちは配送センターに自転車で来ていました。
雨が降ったり、雪が積もったりすると仕事には来れません。大学の講義があるため、作業途中でも8時過ぎには帰っていきます。
ほぼ全員が寮生活をしており、夏休みや冬休みに寮が閉鎖されると仕事に来れなくなります。
勤務予定表には「出勤」となっていても、来ていないことがよくありました。

彼女たちの仕事ぶりを見ていると、「アルバイト感覚」と「責任を持って仕事をする」の違いがよく分かりました。

アルバイトに来ていた女子大生は、4年生が2人でそれ以外は、彼女たちの後輩で1年生から3年生のようでした。
4年生の2人は3年前から来ているようでした。(と言ってもお中元とお歳暮の時期だけですが)

仕事に慣れている2人は、作業内容が分かっているので手際よく仕事をしていました。4年生の2人のうちの1人は、最初の頃は、私のやることに何かと注文をつけてきました。
その半分は、確かに納得がいくので従えましたが、あとの半分は、何故そしなければいけないのか理由がわかりませんでした。

私と同じやり方をベテランの男性スタッフがやっていても、彼女たちは何も言いません。私より自分の方が経験があるため、自分のやり方で仕切りたかったのでしょう。

仕事を覚えているので、スピーディでしたが確認漏れが多く仕分けミスも多かったです。
特に、冷凍・冷蔵の荷物の仕分け作業はスピードを求められましたが、早いだけで間違ってばかりだったのです。
荷物を大きな冷蔵・冷凍保管庫から出しながら、誤配送されてきた荷物と指定日(翌日以降の配達)の荷物を分けながら長い脚立の上に置きながら、、複数のスタッフで人で仕分ける仕事があります。

彼女は、他の仕事より楽なので、脚立の上に荷物を仕分けて出す作業を率先して行っていました。しかし、仕分け漏れが多すぎて、再度確認して仕分けなければいけませんでした。
彼女たちにクール便を任せていた日に、仕分け作業が漏れていた大型冷蔵庫保管庫が1台残っていることが、彼女たちが帰ってから発覚し、残ったメンバーで大急ぎで仕分けをしたこともありました。

「人を信用しても、人のやっていることは信用するな」ということですね。

その日を境に、現場の管理を任されていたベテランスタッフが、クール便の保管庫を何度も何度も確認されるようになりました。私も、何も表示がない保管庫(表示がない=空)を見つけると、必ず中身を確認するようになりました。確認は大切なことですが、最初に確認する担当者が手順通りに確認して、「確認しました!」と言えば済むことです。

4年生の先輩2人は、後輩たちに仕事のやり方や作業の手順を教えているようでしたが、仕分けミスをしたらどうなってしまうかまでは、教えていなかったのでしょう。
学生たちが作業に来ている日は、仕分け間違いが多く、配達準備をしているドライバーさんたちから「違う荷物が入ってるぞ」と注意される声が頻繁に聞こえていました。

学生たちは、「荷物がいっぱいに詰まったカートや冷凍・冷蔵庫の荷物を空っぽになるまで仕分けをし、時間が来たら帰る仕事」という認識だけで働いていたように見えました。

また同じ大学の同じ部の先輩と後輩なので、数人で来ているときは、とにかく群れて行動していました。同じところに集まって作業をして、動作も機敏ではないし、仕分けの仕方がわからずボーっと立って声をかけられるのを待っていたり、周が見えていないのでぶつかったり、作業の妨げになることがしばしばありました。
また、荷物の量が少なくて作業に余裕があるときは、談笑しながら仕事をします。(これが確認漏れの原因にもなっている)

自分からコミュニケーションが取れるようなタイプではないので、私が確認したいことがあって声をかけても、困惑した表情がシカトされたように見えました。
それでも私に指図しようとして、何か伝えてくるのですが、単語の羅列で、どうすればいいのか意味不明で動きようがありません。(これは、彼女たちだけでなく現場スタッフに共通していたように思います)

彼女たちは、彼女たちなりに一生懸命仕事をしているつもりなのだと思いましたが、自分の都合でお金を稼ぎに来ているようにしか見えませんでした。
しかし、私は仕事を始めたばかりで、何一つ十分に出来ない状態。
学生に偉そうに言われるたびに、屈辱的な気分になりました。

そして、それが「絶対、早く仕事を覚えて戦力になって見せる!」と闘志を燃やすきっかけにもなりました。



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