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17. 私だったらどうする

仕事に慣れてきてから、「どうしたら作業のミスやロスがなくなるか?」「どうしたら、伝えることが苦手な人でも、言うべきことが言いやすくなるか?」について、ずっと考えていました。
そして、ふと2つのことを思い出しました。ひとつは、以前、調査を行った写真スタジオのことでした。

その写真スタジオを訪れたのは、七五三の写真撮影が集中する時期でした。待合室にも更衣室にも撮影場所にも、たくさんのお客様がいらっしゃっていました。しかし、混雑しているにも関わらず、整然と業務(お客様対応、撮影、着替え、撮影後の商品説明)が行われていました。しかも、スタッフの方同士ほ、ねぎらいの言葉をかけあう以外は、業務上のやり取りをほとんど行っておられませんでした。コミュニケーションを取らなくても、対応は滞りなく行われているのが不思議でした。

〝どうしてなのかな?”と思いながら、順番が来たので同行者と一緒に更衣室に入ったときに、「なるほど!」と思いました。

更衣室の壁に、1枚のボードがかかっていて、そこには、お客様に関する必要な情報が全て掲示されていたのです。
よく観察していると、変更があるとすぐに内容が更新されていましたし、スタッフの方は、作業行程の一つとして、そのボードを見ることを徹底されていました。だから、スタッフの方が、言葉を交わさなくても、無駄なく漏れなく仕事が進んでいたんだろうなと思いました。

もうひとつ思い出したのは、よく利用している料理のレシピのことです。
作りたい料理の名前で検索すると、たくさんのページがHITします。その中で、一番よく使うサイトは、写真入りの解説であることはもちろんですが、フォームが決まっているので、とても見やすく分かりやすいのです。
そして、その分量と手順に従って作れば、ほとんど漏れなく、同じように美味しいものを作りことが出来ます。

面と向かって言葉で伝えるのが面倒で苦手なのなら、誰でも見ればわかるように、仕事の内容を紙にまとめたり、表示してみたらどうかな?と考えました。

私が初めてアルバイトに行った日に、渡されたのは、エリア番号と配達区域が表になっている紙だけ。
作業の説明は、「荷物に貼ってある送り状の住所を見て、該当するエリアを探して、荷物を置いていってください」と指示を受けただけでした。
次女から、事前に、「住所だけでなく「配達指定日」「着払い」「代金引換」などの表示を見ながら仕分けをするようになっている」と聞いていましたが、その説明は受けませんでした。

とりあえず簡単なことから作業しながら仕事を覚えてもらう

ということなのだと思います。
しかし、それではわからないことがあるたびに、聞きに来られて自分の作業も中断しますし、間違いが発生すればそれをフォローしなければならず、仕事がさらに増えます。
きちんと説明していないために発生したミスについては、その人に注意も出来ないでしょうから、負担感が増えます。
伝える、伝えないは別として、作業内容について、書面にまとめておくことは必要不可欠だと考えました。

私が、もし、仕事が全く初めての人(しかも初対面)の人に仕事を教えるとしたら、大雑把であっても、以下の内容を書いてまとめることは必要だと
思いました。

①仕分け作業のルール(あくまでも基本のルール)
②作業の期限(何時までに何をする)
③仕事全体の流れと作業項目
④判断に困った時に、誰に聞けばよいか

などかな?と思いましたし、仕事を初めて間もなく、次女に確認しながら、自分なりに仕事内容をまとめ、それを時々確認しながら仕事をしていました。
仕事を覚えて、ミスなく仕事が出来て初めて「一つの仕事を責任を持って遂行している」と見なされます。
正社員であろうと、パート勤務やアルバイトであろうと、組織で仕事をする上で、絶対に必要なことです。

そのためには、「ミスをしないように説明・指導すること」と「ミスをしないように正確に業務を行う」の両方は欠かせないと考えています。

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