02.性格が正反対な姉妹
「顔はそっくりでも性格は正反対」
私は、長女が勉強しているところを、小学生のころから見たことがありません。中学に入っても中間、期末のテスト勉強なんて全然やろうとしませんでした。
全く勉強せずにテストを受ける図太さには、呆れるどころか感心していました。もちろん、成績は思わしくありませんでしたが、それでも、半分くらいは点数を取ってきていたのです。
「普段、授業を真面目に受けていたら、テスト勉強なんて必要ない!」というのが長女のポリシーだったようです。
実際、好きな科目でも嫌いな科目でも授業は真面目に聞いて、聞いた内容を自分なりにきれいにノートにまとめていました。
そして受験勉強も、塾にも行かなかったし、これと言った受験の勉強もしていませんでした。
ただ、授業の中でわからなかったところは、放課後、先生に聞きにいっていたみたいでした。そして、滑り止めも受けず、第一志望一本で受験し合格しました。
「絶対に無理だから、滑り止めを受けなさい」と強要し続けた担任もびっくりしていたのですから、奇跡に近かったのかもしれません。
高校に入っても、そのポリシーは曲げませんでした。
忘れられないのが、高校入学直後の実力テスト。279人中276番の成績だったらしいのですが、高校3年時には、100番以内に入っていました。
高校の勉強がそんなに簡単だとは思わないのですが、好奇心が旺盛なだけで、そんなに調子よくやれていることが、不思議で仕方ありません。
でも、そのおかげで、長女の受験に関しては、本当に楽をさせてもらったと思っています。
一方、次女は、長女と真反対な性格で、小さいときから根気のある子でした。
足がしびれて立てなくなるまで、夢中で砂遊びをしたり、
広告の裏に、「ウォーリーを探せ」ばりの絵を端から端までぎっしり描いて、それをジャバラ折にセロテープで貼り付けて絵本を作ってみたり、
小学館の雑誌についている付録を、巻末の説明を見ながら、一人でコツコツ作り続けたり…。
勉強も同様で、毎日、家に帰ってきたらまず宿題を片付けてから遊びに行っていました。
夏休みも、朝早く起きて午前中にまず勉強を済ませ、7月中には大きな課題をやり終え、毎日やらないといけない日記や自由課題は、もちろん毎日欠かさずコツコツとこなしていました。
夏休みが残り1週間を切る頃、何もしてなくて慌て出す長女を尻目に、始業式の登校準備をする余裕振りでした。
根気があって頑張屋だけど、人に教えを乞うのが大嫌い。次女は、小さい頃の私にソックリでした(笑)。
そういう正反対なところがある二人でしたが、共通していることが一つありました。
それは、学校以外で勉強するのは嫌いということです。
塾なんてその最たるものです。
二人が超難関の進学校に行きたいと望めば、塾に行かせてもいいと思っていましたが、そうでなければ塾など必要ないという考えでした。
二人は早くから、中学も高校も地元でいい!と思ってくれていました。
先生とのトラブルや、いじめまがいなことも多々ありましたが、その都度親子で一緒に乗り越えて、毎日元気に学校に通ってくれていました。
私は、勉強だけではなく様々な問題に向き合うことや、乗り越えようとする力を養うのが、学校や集団生活の目的の一つだと思っています。
勉強のことはとやかく言いませんでしたが、何か問題が起こったら、娘たちと一緒になって考えること。
起きたことをしっかり受け止めて、対処できる親でありたいと思っていました。そういう思いを大切にしていたのは、亡くなった私の母がそうだったからだです。
というわけで、性格の違う、仲がいいんだか悪いんだかわからない二人は、のびのびとは育っていき、次女が高校受験の年を迎えました。
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