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移動する子どもたち

11月3日の祝日は岡山ユニセフ協会35周年記念フォーラムのお手伝いをしました。
講演会の講師はスイス・ベルギー・日本にルーツを持ち、4か国で暮らした経験を持つ山本・リシャール・登眞(トーマ)さん。現役の高校3年生で18才になったばかりだと言っていましたが、講演の内容もさることながらその立ち居ふるまい、言葉づかいが優雅でほれぼれしてしまいました。

彼もまた海外にルーツのある子ども、移動する子どもなわけだけど、こんなにも自分の経験を糧にしている人に私はいまだかつて会ったことがなかったので、ある意味感動してしまいました。

講演会にはお母さんも一緒に来ていて、空き時間にちょっとお話をすることができたのだけど、(というか私の今の悩みを一方的にぼやいたと言った方が正確かもしれない)子どもたちがどこの国で育っていこうが、母語の教育が大事だよねっていう話でした。(結論短!)

私は先生でも親でもないんだけれど、ネパールの子どもたちの教育に関わることがなぜか多くて、以前だったら学齢期の子は学校に行かなくちゃだめでしょって信じて疑わず、編入のお手伝いをしていたものでした。でも教育熱心ではない親を説得して編入、進学、卒業しても思うように就職できなかったり、順調に学校に行っていたのに親の都合でやっと慣れた日本からネパールに逆戻りしたり、ネパールに戻ったら戻ったで今度はネパール語が読めない、書けない、学校の成績も思うように伸びないということで成功体験が低い子どもに育ってしまったりと何年たっても問題は山積みで最近は私自身が閉塞感を味わってしまっていました。

日本語を勉強しなくちゃ!覚えなくちゃ!と頑張っているけど、そのためにネパール語がおざなりになってしまっていて、自分のアイデンティティさえわからなくなってきている子どもたち。

同じようにというかそれ以上に(4か国!)移動をしていても勉強熱心で向上心があるリシャールトーマくんのような人もいるわけで、それってどこで違ってくるんだろうか。

トーマくんの場合、ご両親ともに数学者だったり研究者だったりというのがいい影響を与えていたのかもしれないけど、おかあさんいわく「ぜんぜん強制はしていない」って言うからよけいに謎だわ。

トーマくんからは、スポーツでも音楽でも言語を必要としない分野で周りと関わることができて、なおかつ自分の居場所がみつかればいいのだけれど、というアドバイスをいただきました。

「僕は何人って聞かれたら地球人って答えてます。」という答えがまたいい味だしていました。

彼はどんな大人になっていくのかなあ。



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