字が下手でごめんなさい

私は字が下手だ。
例えば、文豪の悪筆や著名人の趣のある字というようなものではない。単に字が下手なのだ。丁寧に書いたつもりでも、見返すとやっぱり下手だから、字を書くのが嫌いになった。
それでも人が見る字を書かないわけにはいかないから、せめて住所氏名くらいはと思い、幾度となく練習してみたが、結局上手にはならなかった。

ついでにいうと、絵も下手だ。仕事柄どうしても手書きのラフスケッチを書く必要に迫られることがあっても、それが原因で仕事が滞る。口で説明して下さいとよくいわれた。

きっと目から脳への、そして脳から手へ伝わる指示命令系統にバグがあるに違いない。
旧式で開発も終了したポンコツプログラム脳だから、アップデートもバージョンアップも望めない。

大学時代「字だけ」はとても上手かった友人がいた。ただ、字が上手でも、答案用紙に正解を書かなければ、点数は取れなかった。上手い字の説得力も、通じないことはある。
ただ、内容が良くても、下手な字では説得力が低下すると思うが、どうなんだろう。

今でも字や絵が上手い人には憧れてしまうし、反対に、私のような下手な字を書く人に出会うと、とても親近感を覚える。

因みに、妻は字が綺麗だ。本人はそう思っていないようだが、

「僕から見ればとても綺麗だと思うよ」

と、いうと、

「アンタが基準かっ、嬉しくないわ」

と、笑われる。