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床柱にいたずら書きをしたのは誰なのか?

私は幼稚園の頃、新築中の家の床柱に釘でいたずら書きをした。

と、ことあるごとに親からいわれ続けていた。その度に返す言葉もなく、ただただこのお小言が通り過ぎるのを、黙って耐えていた。
中学生ぐらいになると、さすがに思い出話のようになってはいたけれど、未だにそのことを思い出すことがある。

ふと、思ったのだが、あのいたずら書きは何を書いたのだろうか? 今思えば、何を書いて叱られたのだろう。何を書こうが事の本質とは関係ないとは思う。

とはいうものの、今更ながら気になって仕方がない。どうせ幼稚園児の書くことだから、単に○や×かひっかき傷のようなものだったように思う。

と、そんなことを考えていたら、

私、そもそも、そんな行為の記憶自体がない、

という、とても重大なことに気がついてしまった。

散々親から叱られて、その度に謝ってはいたし、こんな性格だから、深く考えもせずに、悪かったと思っていた。

このところ、ずっと思い出そうとしているが、全く思い出せない。

もしかすると私は無実だ。

親が私を叱る口実として作った話だ。或いは私が知らない目的があって、洗脳されているだけかも知れない。
もしかすると、私の記憶には思い出してはいけない巨大な陰謀の秘密があるのだろうか。


まぁ、そんなことはないね。

単に思い出せないだけ。

思い出さない方が身のためということかも知れない。




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