小学校低学年の頃

10月の末になると、兄弟と近所の遊び仲間で、お面を作った。厚紙で気に入った顔を描き、頭のサイズに合わせ、帯状の厚紙を面にホッチギスで縦、斜めを止め、頭の見えるところは新聞紙を糊で貼り付けた。絵の具で色を塗ったら完成。さあ!大きな紙袋を持って、いざ出発!

普段は入れないゲートを通って、イルミネーションのある家のドアをノックした。中から出てきた、おばちゃん、おじちゃんが大きな紙袋の中にお菓子を一握り入れてくれた。そして、次々と隣の家のドアをノックしお菓子を手に入れた。中には、すごい剣幕で何を言っているかはわからなかったけど、追い返す人もいた。3セントを入れる人もいた。

兄弟4人分の大きな袋は、まるで駄菓子屋にでもなれるくらいの量だった。母親は、何故?という顔をしていたけど、深く聞こうとはしなかった。我々は「きちがい祭り」と言っていた。(基地の中だけど・・・!)

家のドアをノックしてある言葉を言えばお菓子がもらえるのだ。とても不思議で、我々もなんだかわからなかった。子供心に毎年待ち遠しい日だった。当時は「テコチー!」みたいな言葉を発していた。後でわかるのだがそれは、「Trick or Treat」だった。これは50年前の話である。

後に高校生になって聞いた話だが、兄はそのお菓子を学校で友達に1つ1セントで販売していたそうだ。すごい!当時米軍ベースの近くに住んでいて、周りはアメリカ人がたくさんいた。ハーフの友達もいた。なまえが「マイコー」だった。今思うと「Michael」だったんだろうね!マイケルではない!

懐かしい ハローウィン祭り の話である。決して きちがい祭り ではない。