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妊娠中に雇い止めにあったので、産後10ヵ月で起業してみた

簡単な自己紹介

初めまして。私は臨床を経て、学校や企業で保健師をしていました。
今は、子育てをしつつ個人事務所を開設して細々と産業保健師を続けています。細く長く働くことを考えると、今のうちに労働衛生コンサルタントに挑戦しとこうかな、と密かな目標を立てています。
最近、保健師さんの起業が増えている(気がする)ので、私が個人事業主デビューまでの道のりを備忘録代わりに書いていこうと思います。

ライフイベントに白旗を挙げた私

私は記事のタイトル通り、第一子妊娠中に雇い止めにあったことで産休・育休制度からあぶれてしまいました。
産後もバリバリ働くつもりで、家庭に入るという選択肢を持ち合わせていなかったので、雇い止めは青天の霹靂のような出来事でした。

妊婦を雇ってくれるような親切な転職先ももちろん無く「マミートラックにすら乗れなかった!やばい!」と絶望していました。

最寄りの親戚の家までは新幹線で数時間かかり、頼れる身内は夫のみ。
子育てしながら就活から始めることを考えると、0歳児を抱える奴を雇いたい会社なんてないだろ、と自棄になっていました。
ちなみに居住地は保育園激戦区なので、子どもが1歳の4月入園はシングルマザーでもない限り無理です。

かの有名なスヌーピーの言葉で
You play with the cards you're dealt…
(配られたカードで勝負するっきゃないのさ、それがどういう意味であれ)
というのがありますが
母になった私に配られたカードを見て「このデュエル…詰んだ」と思いました。

SNSの海で未知との遭遇

妊娠後期や産後間もないころ、自分のために自由に外出する時間や気力も体力もなかったので、家事育児の合間にSNSを見ている時間が増えました。
仕事に関する記事を目にすると、働きたくても働く場所がないことが悔しくて、ずっと家にいる自分に悲しくなってしまうので、主婦向けの子育て情報やレシピ動画を意図的に見ていました。

すると主婦向けの「ワーママの働き方」「子育てとキャリアの両立」的な記事がおすすめに挙がるようになり、
「ライフイベントがきっかけで離職して落ち込んだけど、今は起業して元気です!」という人の投稿がちらほら。
それを見て「えっ!私以外にもライフイベントで離職した人いるの!?」と驚きました。今振り返ると、視野が超狭窄していますね。
…もしかして、私もワンチャンいける…かも。と思った瞬間でした。

見よう見まねで起業してみた

バリバリ働けない時期だからこそ、子育てとキャリアの両立ができる働き方をゼロから探してみよう!と、半年ほど個人事業主のなり方を調べたり、事業プランを練っていました。
準備期間中は乳飲み子を抱えた無職の主婦です。
準備にかけられる予算はスズメの涙ほど、代わりに家事育児の間の細切れ時間を全て注ぎ込みました。(ただし、休憩時間は除く)

起業資金をゲットするために、ワンチャン狙いで行政主体の個人事業主向けの助成金に応募もしてみました。
しかし、真面目に事業プランを立てたものの、応募者の数%しか受からない助成金は貰えず…
とても大変な作業でしたが、幸い、事業プランを立てたことで自分のやりたいことやターゲットにする相手、サービス料の相場などがはっきりして、後からとても役立ちました。

そして、2023年10月6日に税務署に開業届を出しました。
つまり、無職から個人事業主になりました。
いわゆるママ起業というやつですね。

「どうして開業を10月6日にしたの?」と聞かれたことがあります。
誕生日や記念日、縁起がいい日に開業届を出すという方も多いようですが
私の場合、10月中に出さないと子どもが保育園を退園させられて働けなくなってしまうから(切実!)という超現実的な事情があり、最速で税務署にい行ける日が10月6日だったというだけの話です。
(後から調べたら、実は大安でした)
理由はどうであれ、締め切りがあったから自分の時間をやりくりして起業にこぎ着けたのかなと思っています。

ぶっちゃけ儲かるの?

正直に言うと、自分が貰えたであろう育休手当以下の利益しか出せていないので、お金を爆稼ぎするノウハウは持ち合わせていません。
なので、今の職場を辞めて一発当ててやる!的な考えの方は、この記事を読んだら、そっとページを閉じてください。時間は有限です。

使える時間と体力に限りがある保健師ママさんたちに「へー、こんな感じでも起業できるんだー」と、ちょっとでも開業保健師に挑戦するハードルを下げられたら嬉しいです。

以上、うっかりキャリアを失ったので、失う物が無くなったからこそ起業に踏み切れたよ!というプロローグでした。

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